Autor del artículo

Yasuyuki Kimura
木村恭之  キムラヤスユキ
1955年生まれ

早稲田大学卒業
スペインからワイン・ビール等を輸入し 日本全国に案内をしている酒類総合商社、 株式会社キムラ 代表取締役社長

スペインワイン教室を定期的に行っている。

広島スペイン協会 事務局長

ガリシアのビール Cerveza de Galicia

2010年11月

スペインを気候風土で一つにくくるのは、やはり難しい。
日本でも、北海道の気候風土と、九州のそれとは随分差があるのと同じだ。
スペイン南部のアンダルシアは雨が少なく、深い山はきわめて少ない。
スペイン北西部のガリシアは年間降雨量が多く、したがって緑豊かで山が深い。
そして清らかな水、日本の田舎の風土に似通っている。
ガリシアをドライブすると、日本で車を走らせているかのような錯覚に陥ってしまう。
このような気候の中、ガリシアにホップの利いた美味しいビールがある。
日本のビールに例えると、“昔のキリンビール”の感がある。苦み走って、しかも爽やかな味わい、日本人好みだ。
その名も、エストレージャ・ガリシア(ESTRELLA GALICIA)、“ガリシアの星”という名前だ。


クアトロ・カミノスのセルベセリアで
ビールサーバー用に使われている、サルガデロスの陶器


エストレージャ・ガリシアのメーカーは、“無敵艦隊”が出港したスペイン有数の港町ア・コルーニャにある。
1906年の創業、104年の歴史を誇っている。
ア・コルーニャ市内のクアトロ・カミノス(CUATRO CAMINOS)には、旧工場を改造したセルベセリア(ビアホール)がある。
そのセルベセリアにはビール製造用の大窯が当時のまま置かれビール工場だった趣を残している。
年間200万杯以上のビールがそのセルベセリアで飲まれ、ア・コルーニャの観光地の一つになって、毎日賑わっている。
ガリシアでのエストレージャ・ガリシアの市場占有率はおよそ70%、ア・コルーニャにいたっては、90%を超える。
ア・コルーニャでエストレージャ・ガリシア以外のビールを飲もうとするのは、一苦労だ。
ほとんどのバルやレストランではビールはエストレージャ・ガリシアだけを置いている。
地元に密着し、地元の人に愛され続けるビール。日本における、地元の日本酒のような存在である。


白色と藍色をベースにした、ガリシアの有名な陶芸品


しかし、創業100周年を契機にエストレージャ・ガリシアは、地元の地ビールの枠から世界の市場に向けて、進出を始めている。
すでに、アメリカ、メキシコ、ブラジルではかなり成功を収めている。アジア地域でも、日本、フィリピンで流通し始めている。
日本国内でも、スペインバル、レストランを中心に堅調な伸びを示している。
百貨店の店頭にもならび始めている。そして、中国市場の進出にも動き出している。
上海万博に現在大きなパビリオンを構え、広報活動にまい進している。
エストレージャ・ガリシアは、地元ガリシアのビールの枠を超え、インターナショナルなビールの域に達しようとしている。

木村恭之