2012年初夏はスペイン映画を観に行こう!
スペイン映画情報

2012年5月

 2012年の5月から6月にかけて、話題の新作スペイン映画2作品がついに日本に上陸します!

 まずひとつめは、日本でも根強いファンの多い、ペドロ・アルモドバル監督の待望の最新作『私が、生きる肌』(原題:La piel que habito)。続いて公開予定の作品が、”スペインのデヴィッド・リンチ”と称される鬼才アグスティー・ビジャロンガ監督の『ブラック・ブレッド』(原題:Pa Négre)。

 また、今年はスペイン人監督、『ホセ・ルイス・ゲリン映画祭』も開催予定。渋谷イメージフォーラムシアターで6月30日から開催されるのを皮切りに、全国で順次公開されます。

 是非この機会に、映画館に足を運んで、スペイン映画の世界に浸ってみてはいかがでしょうか?

ペドロ・アルモドバル監督最新作
『私が、生きる肌』

 2010年に日本公開された、『抱擁のかけら』から2年、待望のペドロ・アルモドバル監督最新作が5月26日から公開されています。

 『私が、生きる肌』に主演するのは、スペインを代表する国際的スター、アントニオ・バンデラス。アルモドバル監督とタッグを組むのは、1989年の作品『アタメ』以来、実に22年ぶりであることも、大きな話題となりました。

 12年前に最愛の妻を亡くした天才的な形成外科医、ロベル・レガル役を演じるアントニオ・バンデラスは、従来の情熱的なラテン男性のイメージを封印し、ポーカーフェイスの裏に激しい感情を秘める異色の役柄で観客を圧倒しています。ロベルが彼の邸宅の一室に監禁している、謎の美女ベラ・クルスを演じるのは、『この愛のために撃て』のエレナ・アナヤ。また、多くのアルモドバル作品に出演し、『オール・アバウト・マイ・マザー』で大女優ウマを演じ、観客に強烈な印象を残したマリサ・パレデスも、母親役で出演しています。

 撮影や音楽は、アルモドバル作品の常連スタッフが集結し、ジャン・ポール・ゴルチェが衣装を手がけました。美しい映像と音楽、卓越した脚本が融合した、アルモドバル・ワールド全開の狂気と愛の物語。


La piel que habito.
Photo by Lucía Faraig © El Deseo



La piel que habito.
Photo by José Haro © El Deseo

HISTORIA ストーリー

 スペインのトレド郊外に建つ広大な邸宅に住む天才的な形成外科医、ロベル・レガル。彼は、12年前に最愛の妻、ガラを失って以来、最愛の妻を救うことができたかもしれない”完璧な肌”を求め、最先端のバイオ・テクノロジーを駆使した人工皮膚の開発に心血を注いできた。

 妻の死以来、良心を捨ててしまったロベルは、”ガラ”と名付けた開発中の人工皮膚を、自宅に監禁した”ある人物”に移植し、亡くなった妻に瓜二つの女性、ベラ・クルスを自分自身の手で創り出すことに、没頭していく。

 邸宅に監禁されているベラという女性は一体誰なのか。ロベルはどのようにして彼女と出会ったのか。二人を取り巻く謎は深まるばかり。

 そんなある日、邸宅に奇妙な客が訪れたことから、思わぬ事件が起こってしまう。

 過去と現在を行き来しながら、謎が少しずつ解き明かされていくサスペンスストーリーと、狂気をまとった天才外科医の愛の物語が交錯する問題作。


La piel que habito.
Photo by José Haro © El Deseo



La piel que habito.
Photo by José Haro © El Deseo


映画情報

『私の、生きる肌』
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラス、エレナ・アナヤ、マリサ・パレデス
制作:2011年、スペイン
配給:ブロードメディア・スタジオ
公式HP:http://www.theskinilivein-movie.jp/
5月26日(土)TOHOシネマズシャンテ、シネマライズ他全国ロードショー



2011年度ゴヤ賞、最多9部門獲得の話題作
『ブラック・ブレッド』

 日本ではまだ珍しい、カタルーニャ語の映画『ブラック・ブレッド』。この作品は、2012年アカデミー賞外国語部門スペイン代表にカタルーニャ語作品として初めて選ばれるという快挙を成し遂げました。

 また、2011年にはスペインのアカデミー賞とも言われるゴヤ賞で、作品賞を初めとする最多9部門を受賞するなど、非常に高い評価を受けた話題作が、6月23日いよいよ日本でも公開されます。

 舞台は、スペイン内戦直後、1940年代のカタルーニャ地方の小さな村。まだあどけない年齢の少年が、ふとしたことから殺された親子の遺体を発見したことがきっかけで、周囲の大人たちが生きるためにひた隠しにしてきた秘密を知り、恐ろしい決断を迫られるというストーリー。カタルーニャの鬱蒼とした森の中を裸で駆け抜ける美しい青年や、謎の怪物ピトルリウア、大人びた言動の従姉妹の存在、そして殺人容疑をかけられた父など、ファンタジーとドラマの要素が絡み合った、ダークミステリーです。

 監督は”スペインのデヴィッド・リンチ”の異名をとる、アグスティー・ビジャロンガ。また、この作品で特筆すべきは、アンドレウ役を演じた主演男優、フランセスク・クルメは本作が映画初出演ながら、その演技でゴヤ賞の新人男優賞を受賞したことです。スペイン内戦をテーマに、人の心の闇に迫る作品。




Pa Négre.
© Massa d’Or Production Cinematografiques i Audiovisuals


映画情報

『ブラック・ブレッド』
脚本・監督:アグスティー・ビジャロンガ
原作:エミリ・タシドール(「Pa Négre」)
出演:フランセスク・クルメ、マリナ・コマス、ノラ・ナバス
制作:2011年、スペイン・フランス
配給:アルシネテラン
公式HP:http://www.alcine-terran.com/blackbread/
6月23日(土)、銀座テアトルシネマ、ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次ロードショー



José Luis Guerín Film Festival
ホセ・ルイス・ゲリン映画祭

 スペイン、バルセロナ生まれのホセ・ルイス・ゲリン監督の作品を一挙に8作品上映する、『ホセ・ルイス・ゲリン映画祭』が、6月30日から4週間の間、渋谷イメージフォーラムシアターで開催が決定しました。

 海外では「ビクトル・エリセ監督の後継者」などとも呼ばれているゲリン監督。日本では、2年前に『シルビアのいる街で』が上映され、日本の映画ファンにもその名が知られるところとなりました。

 今回の映画祭にあわせてゲリン監督の来日が予定されており、映画祭の前日である6月29日(金)には、セルバンテス文化センター東京で試写会とパーティーが開催されます。映画祭の初日〜3日目(6/30, 7/1, 7/2)には、映画上映終了後にゲリン監督自身による30分程度の解説トークが企画されています!(詳細はホームページご覧下さい。)

 また、関西地方でも、7月3日(火)には、「一日限りの先行上映」と題して、京都・同志社大学ホールにて、2作品の上映と監督トークショーが予定されているほか、大阪、京都、神戸の劇場でも順次作品の上映が行われるようです。(日程は未定。)



【上映予定作品 】

『ベルタのモチーフ』(1983) *幻の処女作 アリエル・ドンバール出演 
『イニスフリー』”Innisfree”(1990)
『影の列車』”Tren de Sombras”(1997)
『工事中』”En Construcción”(2001)
『シルビアのいる街での写真』”Unas fotos en la ciudad de Sylvia”(2007)
『シルビアのいる街で』”En la Ciudad de Sylvia”(2008)
『ゲスト』”Guest”(2009)
『メカス×ゲリン 往復書簡』”Correspodencia Jonas Mekas - J.L Guerín” (2011)



INFORMACIÓN

ホセ・ルイス・ゲリン映画祭
公式HP: http://www.eiganokuni.com/jlg/

配給:マーメイドフィルム
宣伝:VALERIA
配給協力:(社)コミュニティシネマセンター
後援:セルバンテス文化センター