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Autor del artículo

Tomoko Yamashita
山下智子
やましたともこ /
大阪市出身。
旅先の沖縄で知り合ったスペイン人男性と縁があり、2008年結婚。約3年間の日本での生活の後、2011年9月、思い切って夫と共にスペインに移住。現在バルセロナ近郊在住。趣味は、安くて美味しいものを食べることと旅行すること。スペインでの日々の発見を伝えます!

RUMBO AL SOL
Vol.2 カタルーニャのとある村のProcesión

2012年05月

 今回はスペイン・カタルーニャ地方にあるベルジェス(Verges)という村(人口1,200人)で毎年行われているプロセシオン(Procesión)についてご紹介します。プロセシオンとは、セマナサンタ(聖週間)の聖木曜日(Jueves Santo)に行われるカトリック教の重要な伝統行事の1つであり、キリストの受難を再現しながら街中を練り歩く行進のことを指します。スペインではセビージャがとても有名ですが、今回、私はカタルーニャ州のジローナという都市から北東へ20Kmほどにあるベルジェスに行ってきました。このベルジェスでもプロセシオンの歴史は古く、1666年の文献に残されています。

 村に到着後、プロセシオンを待つものの、なんと開始時刻は午前0時。開始時刻に合わせて、村の電灯はほとんど消され、代わりにたいまつやカタツムリの殻に火が灯されていきます。その後、音楽隊や聖歌隊と共に、十字架を背負ったイエス・キリスト像や聖母マリア像等が村中を行進していきます。パレードのような華やかなイメージとは異なり、静かで厳かな雰囲気が漂います。

 ここベルジェスでは、世界で唯一現存する“La Danza de la Muerte”の行進を見ることができます。

“La Danza de la Muerte”は、故人に対する先祖伝来の崇拝の儀式と言われており、14~17世紀にヨーロッパ中に大流行したペストに強く結びついています。このダンスは、がい骨の衣装を身にまとった5人で構成されており、死の象徴である鎌、旗を持った大人2人、灰の入った小皿を持った子供2人、そして針のない時計を持った子供1人が登場します。このダンスにより、『お金持ち、貧乏、貴族、泥棒等関係なく、死は誰にでも訪れ、また時間に容赦はなく、いつ訪れるかは誰にもわからない』ということを表わしています。また、行進ではとんがり帽子に目の部分だけ開いた衣装で受難者を表す“Nazarenos”の衣装も目を引きます。

 大昔、ミサはラテン語で行われていたため、村人にとって理解するのが難しく、このプロセシオンはキリスト教の信仰を伝えていく重要な役割を果たしていたとのことです。ちなみに、行進が終わったのは夜中の3時。スペインのお祭りの賑やかで華やかなイメージとはまた違った一面を見ることができました。セマナサンタの期間中、スペイン各地で大小さまざまなプロセシオンがありますので、機会のある方は一度ご覧になってください。

文・写真 山下智子



1.カタツムリの殻に灯油を入れたものを壁に貼りつけ、これに火を灯します。



2.十字架を背負ったキリスト像の山車。家の2階の窓から覗いている人もいますね。



3.La Danza de la Muerte 太鼓の音に合わせてがい骨の
衣装を着た5人がゆっくり踊ります。



4.Nazarenos(受難者)の衣装を着た子供たち。ロウソク片手に歩きます。