スペイン絵画の巨匠
EL GRECO 〈エル・グレコ 〉

2012年08月

 16世紀から17世紀にかけて活躍した、スペインを代表する画家、エル・グレコ(El Greco)。その作品は日本でも非常に人気が高く、スペインを訪れたことのある方なら、一度は彼の作品を目にしたことがあるのではないでしょうか。

 しかしながら、現在日本国内に存在する彼の作品は、大原美術館(岡山県)に所蔵されている、『受胎告知』と、国立西洋美術館(東京都)にある『十字架のキリスト』という僅かに二点だけ。日本で彼の作品を目にするチャンスはいままで殆どありませんでした。

 そんな日本のエル・グレコファンに、彼の作品を一挙に50点以上観ることができるというチャンスが巡ってきました!今年秋に大阪で開催される『エル・グレコ展』では、スペインをはじめ、世界各国で所蔵されている50点以上の作品が一挙に来日する予定です。

 日本で開催された彼の作品展の中では最大級の規模で行われる今回の『エル・グレコ展』、大阪での開催後、2013年1月には東京でも予定されています。そこで、本誌acueductoでもエル・グレコを特集テーマに取り上げました。


「芸術家の自画像」  1595年頃 メトロポリタン美術館、ニューヨーク
©The Metropolitan Museum of Art, Purchase, Joseph Pulitzer Bequest, 1924(24.197.1)


世界の傑作、奇跡の集結!
エル・グレコ展

スペイン、アメリカ、フランス、イタリア、イギリス、ギリシャ、ハンガリー、デンマーク、台湾・・・・・・世界中から傑作50点以上、一挙来日 国内史上最大の回顧展 開催!!

2012年秋より、大阪にある国立国際美術館にて、また2013年冬より、東京の東京都美術館にて、没後400年を迎えるスペイン絵画の巨匠、エル・グレコの大回顧展が開催されます。

 EL GRECO <エル・グレコ> (1541~1614)は、16世紀から17世紀にかけてのスペイン美術の黄金時代に活躍し、ベラスケス、ゴヤとともにスペイン三大画家と呼ばれています。エル・グレコ (「ギリシャ人」という意味)の愛称の通り、本名を「ドメニコス・テオトコプーロス」というギリシャ人でした。生地のクレタ島で、キリスト教にまつわる図像を描くイコン画家として画業をスタートさせた後、ヴェネツィア、ローマで西欧絵画の技法を習得。35歳頃にスペインのトレドへに渡り、73歳で没するまでの後半生を同地で過ごし画家として大成しました。

 細長くデフォルメされた人体や超自然的な光の効果を特徴とする独自の様式によって、対抗宗教改革のカトリック的熱情と神秘を反映しています。揺らめく炎のように引き伸ばされた人物像が印象的な宗教画や、モデルの人となりをも描き出す独特の肖像画で、当時の宗教関係者や知識人から圧倒的な支持を得ました。死後、急速にその芸術が忘れられたエル・グレコですが、19世紀末にセザンヌやピカソらに近代絵画の先駆者として再評価され、現在では西洋美術史上最も偉大な画家の一人として考えられています。

本展では、プラド美術館やメトロポリタン美術館、ボストン美術館など世界中の名だたる美術館やトレドの教会群から油彩画50点以上が紹介されます。高さ3メートルを超える祭壇画の最高傑作の一つ「無原罪のお宿り」をはじめ、日本初公開作品も数多く含まれます。傑作群が日本に集結する奇跡を、どうぞお見逃しなく!




「無原罪のお宿り」
1607-1613年 サン・ニコラス教区聖堂
(サンタ・クルス美術館寄託)、トレド、スペイン
©Parroquia de San Nicolás de Bari. Toledo. Spain.



「聖マルティヌスと乞食」
1599年頃 奇美博物館、台南、台湾
©CHI MEI MUSEUM, TAINAN, TAIWAN



「受胎告知」
1576年頃 ティッセン=ボルネミッサ美術館、マドリード
©Museo Thyssen-Bornemisza, Madrid



「聖アンナのいる聖家族」
1590-1595年頃 メディナセリ公爵家財団タベラ施療院、トレド、スペイン
©Fundación Casa Ducal de Medinaceli, Hospital de Tavera, Toledo, Spain



「悔悛するマグダラのマリア」
1576年頃 ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest, 5640