Autor del artículo

Yuji Shinoda
篠田有史
しのだゆうじ
1954年岐阜県生まれ。フォトジャーナリスト。
24歳の時の1年間世界一周の旅で、アンダルシアの小さな町Lojaと出会い、以後、ほぼ毎年通う。その他、スペイン語圏を中心に、庶民の生活を撮り続けている。

【写真展】 スペインの小さな町で(冨士フォトサロン)、遠い微笑・ニカラグア (〃)など。

【本】 「ドン・キホーテの世界をゆく」(論創社)「コロンブスの夢」(新潮社) 「リゴベルタの村」(講談社)などの写真を担当。

cazuela

エコ・エスパーニャ(その2)
「身近な自然に学ぶ」

2012年11月

 小川には水鳥が泳ぎ、野には野うさぎが駆け回る。こんなにものどかな風景が、マドリッドの中心からわずか20kmのところにひろがっている。ここは「Parque regional del Sureste(南東州立公園)」と呼ばれる自然保護区。かつてこの周辺は国王の直轄領だった。現在、この公園には、環境教育センターが作られ、平日は学校の子ども向けに、週末は家族・一般向けに自然保護への理解を深めてもらうためのワークショップなどが開かれている。

 この日、ここ「カセリオ・デ・エナーレス環境教育センター」を訪れていたのは、小学1~2年生の子どもたち。十数名のグループに分けられ、それぞれが全体の説明を受けた後、菜園でクイズに答えながら野菜にじかに触れたり、ときには食べたり、自然保護をテーマにした寸劇をやったり、都会ではなかなかできない土いじりをしたりして、自然の中でさまざまなことを学びながら数時間を過ごした。

 参加料はすべて無料で、前もって予約を入れるだけ。週末には、有機農業教室やガイドつきの散策ツアーといったアクティビティも用意されており、毎年、のべ1万6千人ほどが活動に参加しているという。

 すぐそばには、畑として格安(250㎡年間180ユーロ)で貸し出されている土地があり、都会に住む人たちが、楽しみながら野菜づくりにはげんでいる。

 マドリッド州では、1998年から環境教育センターの設立が始まり、現在11あるセンターでは、住民の自然保護に対する意識を高める教育を行っている。

 もちろんマドリッド州以外にも環境教育センターはたくさんある。早々と脱原発政策をとり、風車や太陽光などを利用した再生可能エネルギー大国といわれるスペインならではの試みである。

文・写真  篠田有史



興味津々で野菜の説明をきく子どもたち



センター内にはいろんな野菜が栽培されている



「Parque regional del Sureste」の周辺には
麦畑や工場地帯がひろがる



植物になって答えるロールプレイイングゲーム



ときには野うさぎを見かけることも