Autor del artículo

Akira Shimada
島田 顕 / しまだあきら
早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程修了。
スペインの食と文化に魅せられ、アンダルシア地方を中心に、スペイン各地を渡り歩く。
ライター業を経て、2003年より、東京・高田馬場にて「スペイン・バルOlé」を経営。著書に「魅せる!フラメンコ・アイテム~カスタネットからマントンまで~」(パセオ)、共著に「南スペイン・アンダルシアの風景」(丸善ブックス)など。
カディスの歴史

2013年02月

 カディスの歴史は意外に古い。紀元前12世紀、海の民として知られたフェニキア人はこの地に天然の良港を発見、地中海交易のための港湾都市を建設した。カルタゴによる支配も経験するが、フェニキア時代、その後のギリシャ・ローマ時代にカディスは地中海交易の港町として莫大な富を為政者にもたらす。一時西ゴートに占領され、さらにイスラム時代には衰退するものの、レコンキスタ期の1266年には、アルフォンソⅩ世によりこの地が完全にスペイン人のもとに戻る。大航海時代の1492年には、ジェノヴァ生まれのイタリア人、コロンブスが、カディスから新大陸発見の旅に出発した。以後、スペインの植民地となった中南米から、カディスを経て、スペイン、そしてヨーロッパに銀や香辛料がもたらされた。カディスは植民地経営基地として、スペインを繁栄に導いたのである。

 1588年のスペインの無敵艦隊と、ドレーク率いるイギリス海軍との海戦でスペインが敗れると、カディスも衰退の道を歩むようになる。ナポレオン戦争期にカディス憲法がこの地で作られたが、その後の歴史で政治の表舞台に立つことはなくなった。しかし、その後も貿易港、漁業基地、また造船業などの工業都市、さらに軍港として、カディスは周辺の港湾都市とともに発展を続けている。

文 島田 顕