Autor del artículo

María Parra
マリア・パラ
アストゥリアス出身。32歳。
イラストレーションを学んだが、幼い頃より物語に興味をもつ。近年、文学作品の校正にたずさわる知人のすすめで、作品の執筆をはじめる。

Asturiana de 32 años, estudió ilustración pero desde la adolescencia se interesó por la lectura y recientemente, animada por una conocida que trabaja como correctora literaria, comenzó a escribir.
Sus escritos, cuya particularidad se basa en transmitir valores positivos, e intentan alejarse de las estructuras clásicas de la fantasía épica en la que prima más la violencia. Crea historias diferentes basadas en la colaboración entre los personajes y el aprecio por las cosas sencillas pero fundamentales para la felicidad.

大海原・第3章

2013年05月

 船ではやった悪い病気は、さらに広がりました。幸運なことに、ディエゴにも私にも、病気がうつることはありませんでした。それでも私達は、用心してキャビンにこもり続けましした。ただ、一日に一度だけ、一日分の食料を求めて船室を出ました。

 乗客のほとんどは自分のことだけしか考えず、船がどこかの港に着くことを強く願うばかりでした。しかし、実際は、近くに港なんてありはしませんでした。時々、ひとりの商人が、あわれむようなまなざしで私を見ました。でも、私は話かけることもしませんでした。こんな時に、何が言えるでしょうか。実際、私も、こわくてたまりませんでした。でも、無理にでも勇敢にふるまうしかありません。弟のために、そして両親に誓った通り・・・。

 私の心配は、病気のことばかりではありませんでした。引き返そうと考える乗組員と、どんな犠牲を払ってでも旅を続けたいと考える商人とは、激しい言い争いを重ねていたのです。私は、その言い争いが、血なまぐさい対決に至るのを恐れていました。

 何もかも足りない状況をたえしのんでいた上に、ますます激しくなる海の荒れが、新たな重荷となって私達をおそいました。まもなく、ものすごい嵐が起こり、船をクルミの殻のように揺らしました。

 ある夜、私達は、恐ろしいほどのシケに遭遇しました。ディエゴは、こわがって私に抱きついてきましたが、私は、ことばをかけることもできず、嵐ができるだけ早く静まるように祈るばかりでした。

 その時です。いくつもの叫び声が上がりました。船が壊れ、海水が船に入ってきました。私は、簡易ベッドから飛び起きると、弟の手をつかみました。私にできることは、この状況から脱け出すために、激しく浮き沈みしていたデッキに腕を伸ばすことだけでした。

 波は、今にもわれわれを飲み込もうとしていましたし、ひどい雨で、あちこちのようすを探ることすらできませんでした。みんな、死にもの狂いで戦っていました。みんな、助かりたいと必死でした。だれも、私達のことなど気にかけてもくれません。もし、船が持ちこたえられなかったら・・・。そうだ、私とディエゴをくくりつけて漂う何かを見つけなくては・・・。私は、ロープで弟と私をくくりつけると、木の樽に結わえました。

 大きな船が、大きく傾いて、多くの船員が海に投げ出されました。私には、何がどうなったのかわかりませんでしたが、私達も、同じように海に投げ出されました。その瞬間、痛いほどの冷たさと不快な湿り気が、骨の髄(ずい)までしみこむのを感じました。真っ暗闇の中で、私の意識は、遠のいていきました。

作 María Parra
  校正 Miguel A. Carroza
訳  坂東俊枝