Autor del artículo

Tomiko Tanaka
田中 富子  たなかとみこ
日本にてフォワーダー、米通信機会社勤務後、2001年よりセビージャ在住。
2006年個人自営業ビザ獲得。2008年アンダルシア州立ハエン大学にてバージン・オリーブオイル・テイスターにおける大学のエキスパートコースを終了し、オリーブオイル・エキスパートに。現在は、食品輸出入仲介業と執筆業を主に、通訳、翻訳、留学コーディネーター等スペインと日本を橋渡し中。
誠実、情熱、感動がモットーの熱い人間です。
HP:www.creapasion.com
http://spain.fc2web.com/

これから期待大!オレオトゥーリズモ

2013年05月

 アンダルシア州はオリーブオイル世界一の生産地。マドリードとセビリャを結ぶ新幹線から望む景色はアンダルシア州に入ると一変し、果てしなく続くオリーブ畑が印象的だ。スペインは世界遺産の宝庫であり世界各国から大勢が訪れる観光国であるが、ユニーク志向から近年注目されているのはアグリトゥーリズモである。ワインの世界では4、5年前からエノトゥーリズモが導入され、ワイナリーでのんびりと贅沢な時を過ごす人々が増えた。

 オリーブオイルの世界でもオレオトゥーリズモと称され、オリーブ畑や搾油所訪問、テイスティングを楽しむ観光が始まっている。セビリャ郊外に位置するある搾油所は、そのエキストラ・バージン・オリーブオイル(以下EVOO)の品質はもちろん、オリーブオイル文化の波及に注力している。そこではまず畑を訪問し、年間を通した季節ごとの木の成長、灌漑や収穫についての説明を受け、その後施設内の小オリーブ博物館で、搾油の歴史や工程を模型やビデオを観ながら理解する。搾油場では収穫期であれば直に搾油風景が見学できる。最後にテイスティングとなるが、EVOOはワイン同様その品種により味とかおりが異なる。セビリャで主に栽培されている品種はマンサニージャやレチンであるが、その栽培技術革新に伴いアルベッキーナも増えている。この搾油所では高品質のアルベッキーナとマンサニージャのEVOOがテイスティングできるが、興味深いのは味とかおりに欠陥のあるオイルとの比較であろう。この比較により本物のEVOOがオリーブの実から抽出したジュースであることがわかり、その栽培や収穫時の実の成熟度そして搾油工程が、作り出されるEVOOの品質に深く影響することが理解できるであろう。

 このオレオトゥーリズモは約2時間となるが、ゆっくり滞在型となるとやはり郊外に位置するHACIENDA(アシエンダ/大農場)訪問がお勧めだ。

 広大な農場内には昔の石臼の粉砕場、ビガと呼ばれる巨大プレス機、貯蔵陶器が完璧に保管されており、当時のスペインの生活を伺いながらオリーブオイルと触れることができる。ここでのテイスティングが唯一無二の経験となるのは間違いない。こんな魅力的な歴史ある場所でリラックスした時を過ごすことは至福以上の何物でもないであろう。近郊には最新技術を完備する搾油所、テーブルオリーブ工場、ワイナリーがあり見どころ満載で飽きさせない。過去から現在に至るオイル製造方式の変遷も追える。

 余談だが、筆者は2008年以降HP、ブログ(スペインの裏と表の食事情)、FBページ(オリーブオイルの全て)や専門誌等を通して、オレオトゥーリズモを含むオリーブオイル文化について日本語にて普及活動を行っている。スペインには、オリーブ畑を有する150市町村と10県議会が会員となっているAEMO(Asociación Española de Municipios del Olivo/オリーブ自治体のスペイン協会)という協会があり、年に1度優秀搾油所、 ベストモニュメンタル・オリーブ樹、 オリーブオイルの文化普及という3部門でコンクールを開催している。筆者は今回なんと最後の2012年文化の普及部門において2位を獲得した。この賞獲得後、全く存じ上げなかった関係者から続々と連絡が入ったこと、人々の筆者への接し方が急変したことより、この賞がどのくらい意味を持つのかが判断できよう(笑)。

http://municipiosdelolivo.wordpress.com/2013/04/02/premios-aemo-a-la-difusion-de-la-cultura-del-olivo-2013/

 また、後見人が必要で、年に一度の総会にてオリーブオイル文化の普及についてのプレゼンを行い全会員の承認を受けないと入会できないOlearum(オレアルム)http://www.olearum.es/ という協会に入会できた。外国人初である。これは一重に今まで支えていただいた皆さまのおかげだと思っている。有難うございます。これからもご指導の程宜しくお願いします。

田中富子


オリーブの木々に迎えられながらオレオトゥーリズモが始まる



オイル色は品質に関与しないため公式テイスティングカップは青色だ



農場内は映画のような景色が広がる



フレッシュなかおりに包まれる
できたてほやほやのEVOO



博物館にて搾油機械の歴史認識を深める



オリーブの実を擦り潰していた18世紀の石臼



Prensa de Viga(プレンサ・デ・ビガ)の大きさに圧巻



ゴージャスな空間に滞在するチャンス!



農場中庭にある木もオリーブ!



テイスティングはリラックスした雰囲気で