Autor del artículo

Tsuyoshi Osaki
尾崎剛士 / おさきつよし
29歳、愛媛県出身。
2006年まで筑波大学蹴球部にて選手、少年サッカー指導者として活動。引退後は大学院に進学、その後就職し、サッカーの現場から2年離れる。2010年から町田高ヶ坂SCにて指導を再開。2011年10月にバレンシアに渡り、アルボラヤUDでサッカーの第二監督として指導を始める。昨シーズンはベンハミン(U-10)を率いて、リーグ優勝を果たす。

バレンシアのスペイン語学校
Costa de valencia
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スペインサッカーを巡る - 3 -

2013年05月

 第3回目となりました「スペインサッカーを巡る」ですが、今回はビルバオにあるアスレティック・ビルバオというチームについて書きたいと思います。

 まずビルバオという街について、ビルバオはスペイン北部、バスク地方の都市です。グッケンハイム美術館や世界遺産に登録されているビスカヤ橋などが有名で、芸術と美食の街として広く知られています。

 この街に本拠地を置くのが、リーガ・エスパニョーラに所属するアスレティック・ビルバオです。しかし、何故バルセロナやマドリードではなく、人口がスペイン第10位で、1年のうち雨の日が45%、曇りの日が40%のビルバオにあるチームを取り上げる必要があるのでしょうか。

 それは、アスレティック・ビルバオが全選手をバスク人(バスク自治州、ナバーラ州、ラ・リオハ州出身者か、フランス領バスクのラブール・スール・バス=ナヴァール出身者)又は、直系の先祖にバスク出身者がいる選手に限定するという唯一無二のクラブ方針があるからです。例えば、もしメッシやクリスティアーノ・ロナウド、香川真司が「ビルバオに入りたい!」と言ってもこの方針がある以上それは不可能なのです。

 また、アスレティック・ビルバオはこの方針を貫きながらも、レアル・マドリード、バルセロナと並んで一度も2部に降格したことがない3クラブのうちのひとつで、上記2チームに並ぶファンの絶大な支持を得ているチームでもあります。

 また、民族意識の強いビルバオでは、ほぼ全ての住民がビルバオのファンではないかというぐらいに試合の時には盛り上がり、老若男女問わずビルバオのユニフォームを着て聖地サン・マメススタジアムに向かいます(サン・マメスはスペイン最古のスタジアムのひとつとされています)。また同じバスク地方の都市、サン・セバスティアンに本拠地を置くチーム、レアル・ソシエダとのバスクダービーはもちろん大きな盛り上がりを見せるものの、お互いに選手育成で良い関係が作られているため、他のダービーと比較すると友好的なムードのあるダービーとなります。

 そんな特徴を持ったアスレティック・ビルバオの成績はというと、昨シーズンのヨーロッパカップでは準優勝を果たし、リーガでも6位につけ好成績で終えています。選手の選考においてかなり限られた中(バスク出身者のみ)で、このような成績を残せているのは素晴らしく(日本で言うところの北海道選抜のチームがヨーロッパで準優勝したようなもの)、ヨーロッパを始め、全世界でその偉業に賞賛の声が上がっています。

 このような特徴を持ったチームが世界最高峰のリーグで戦っているのはスペインだけのはずです。スペインにお越しの際は是非ともサン・マメススタジアムに足を運び、アスレティック・ビルバオファンの溢れ出す思いを肌で感じてみてはいかがでしょうか。

文 尾崎 剛士



Athletic Club de Bilbao

イラスト Jesús Martín Sánchez
jesusmartinsanchez.com