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Autor del artículo

María Parra
マリア・パラ
アストゥリアス出身。32歳。
イラストレーションを学んだが、幼い頃より物語に興味をもつ。近年、文学作品の校正にたずさわる知人のすすめで、作品の執筆をはじめる。

Asturiana de 32 años, estudió ilustración pero desde la adolescencia se interesó por la lectura y recientemente, animada por una conocida que trabaja como correctora literaria, comenzó a escribir.
Sus escritos, cuya particularidad se basa en transmitir valores positivos, e intentan alejarse de las estructuras clásicas de la fantasía épica en la que prima más la violencia. Crea historias diferentes basadas en la colaboración entre los personajes y el aprecio por las cosas sencillas pero fundamentales para la felicidad.

大海原・第4章

2013年11月

 ぼうぜんと目覚めると、私は、浜辺に打ち上げられていました。ディエゴは、私と結わえつけられたままです。でも、目を閉じたままです。びっくりして揺らすと、彼も目を開けました。私達は抱き合い、まず、助かったことにほっとしました。

 浜辺には、多くの遺体がうちあげられていました。だれ一人として、生きてはいないようです。今できることは、この見知らぬ場所がどこなのかを調べることだけです。数時間歩き回った後に、ひなびた村が見つかりました。そこは、私のふるさととはまったく異なった村でしたが、そこには、確かに人が住んでいるようです。

 私達は、その人達に近づいてみました。みんな、奇妙な服を着ています。目が切れ長で、髪の毛が黒い人たちでした。その人達も、驚いて私とディエゴを見ていました。その人達に助けを請い、弟に食べ物をもらえるよう頼みましたが、みんな、おびえたように後ずさりするばかりでした。

 そのうち、私とディエゴをかわいそうに思ったのでしょう。一人の女の人が、身ぶり手ぶりで、私についてくるように指示しました。招き入れられたつつましやかな家の中では、まじめな表情の男の人が、床に座っていました。ふたりは、私達には理解できないことばで、ひそひそと話をしていました。

 黙ってしばらく待っていると、その女の人は、二つのお椀を運んできました。手に取ると、どうやら米のようです。私は、ほんの少し口にしてみました。それは、とても美味しいものでした。私は、まずディエゴに差し出しました。私も、空腹で死にそうでしたが、まず、弟に・・・と思ったのです。ふたりの見知らぬ人は、私達を見て、何やらひそひそとささやいていました。弟は、おかわりもしました。女の人は、私にも食べるようにと、さらにおかわりをしてくれました。

 私達は、彼らと暮らすことにしました。ふたりの親切な人は、あやめと誠といいました。私の日課は、毎日、水を探しに行っては汲んで戻ることでした。ディエゴは、あやめと誠と、家に残りました。ふたりは、地味であまり表情には出しませんでしたが、どうやら喜んでくれているようでした。

 ある日のことです。家の中から叫び声が聞こえましたので、あわてて家に入ると、中は、恐ろしいことになっていました。見知らぬ数人の男が、奇妙な刀で誠に襲いかかっていたのです。あやめは、壁に張りつくようにして、自分の腕の中でディエゴを守ってくれていました。そして、誠は、そのふたりを守って戦っていたのです。

 私は、驚きましたが、弟のところに行かなくては、弟を守らなくては・・・とだけ考え、彼らに立ち向かいました。争いなんかに、かかわりたくはありませんでした。でも、攻撃してきた一人の男が、誠に切りかかり、あやめとディエゴに迫ってきましたので、私は、夢中で落ちた刀を掴み、思いっきりその男の背中に突き刺しました。その隙をついて、あやめも、帯から小さな懐刀(ふところがたな)を取り出し、もう一人の男に立ち向かいました。誠も、一心に、敵に立ち向かいました。

 その日の夕方のことです。誠は、村を出て行くことになり、家じゅうのお金をかき集めました。私とディエゴは、家の入口から、ぼうぜんと、誠の出発を見ていました。彼が離れて行くのを見ていても、どうしていいのかも、何を言っていいのかもわかりませんでした。数メートル先で、誠は足を止め、私達をふり返りました。あやめは、つらそうな表情で、あるしぐさをしました。私は、それで、すべてを悟りました。

 私達は、ふたたび、全てを無くしたのです。大海原は、私達の過去を、何もかも持ち去りました。私達の未来は・・・きっと、誠とともに歩むことが、私達にはじまる新しい未来なのでしょう。私は、ディエゴの手をとり、誠のあとに従いました。 (終)

作 María Parra
  校正 Miguel A. Carroza
訳  坂東俊枝