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2013年スペインフェア印象記

2013年11月

 11月3日、あいにく雨模様だったが、大阪城にすぐ近いドーンセンターで、本年で3回目となるスペインフェアが開催された。支倉常長の遣欧使節から始まった日本・スペイン交流400周年を記念するさまざまな行事が、今年から来年にかけて両国で開催されており、今回のスペインフェアもその一環と位置づけることができる。したがってこれまでよりも多い機関や団体からの支援と後援があったと聞いた。

 本年は過去2回に比べると目新しい工夫が見られ、格段に印象がよくなった。なんといっても本格的舞台ホールで、ゆったりと落ち着いてショーを満喫できたことが観衆の満足度を高めたと思う。もちろん出演者も会場に相応しい熱演を披露されたに違いない。プログラムの運びも、それぞれ冒頭にテレビのスペイン語講座に出演しているネイティブの人気者2名を起用して、テンポのよい語り口で雰囲気を盛り上げたのも新機軸だ。

 ピアノ演奏ではアルベニス、グラナドス、ホアキン・ロドリゴ、ファリャの代表的な名曲をたっぷり聴かせてもらったのがうれしい。それに、ピアニストの下山静香さんが演奏曲と作曲家について丁寧な説明を加えられたのも、スペイン音楽のファンにとってはありがたかった。

 フランメンコ・ショーでは若い女性を中心に観客も多く、さすがにフラメンコの根強い人気を感じた。とりわけ広い舞台をいっぱいに使って、色とりどりの華やかな衣装で出演者が一堂に会して踊るところは圧巻だった。観客も聞耳を立て、目を大きく見開いてその一瞬を紛れもなく舞台と融合して堪能していた。フラメンコ・ショーに敢えて注文をつけると、カンテの歌の意味(聴いている側には分からない)やアレグリーアス、ブレリーアスなどの曲の特徴、フラメンコの見どころについてちょっとした説明があれば、観客側がより興味をもって舞台に注目できたのではないか、と感じた。

 もうひとつの新しい工夫は、スペイン往復航空券が当たる籤、ショーの観覧それにタパスと飲物クーポンがついた入場券の発売だ。もちろんショーを観ない人はこの入場券を買う必要はなく、飲物とタパスを買って友人とおしゃべりをしながらフェアの雰囲気を楽しむことができるという塩梅だ。飲み物はともかく、食べ物ではハモンセラーノ、ピンチョスがとてもおいしかったが、食いしん坊の小生にはボリュームが少し物足りなかった。残念ながらパエリャを口にする機会を逸してしまった。

 舞台ホール入口前のスペースにテーブルを配置し飲食や酒類、書籍、雑貨などの物品販売に充てられていたが、混雑時には買った食べ物、飲み物を置くところを探すのが大変だった。また、限られたスペースのため椅子も並べられない事情があってか、座るところがなく、立ち食いで少々落ち着かなかったが、スペインのバルだと思い巡らしながらひと時を過ごした。

 日本・スペイン国際交流という視点から、スペインフェアが年追う毎に更に工夫を重ねて内容と規模を充実させ、参加者がより満足できるスペインらしい陽気で楽しいイベントへ進化することを願って止まない。

 主催者のみなさん、出演者のみなさん、ボランティアのみなさん、ご苦労さまでした。

 楽しいひと時をありがとう。来年のスペインフェアを楽しみにしていますよ!

伊藤嘉太郎