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Autor del artículo

Masami Yamaguchi
山口正見 / やまぐちまさみ
1967年 長崎県に生まれる。
1992年大学卒業後、「青山シャンドン」(東京)にて洋菓子作りの基礎を学ぶ。渡西し、マドリードにてダニエル・ゲレロ氏に師事、「オルノ・サン・オノフレ」「ラ・サンティアゲサ」「パナデリア・タオナ」(ブーランジェリー)に勤務し、スペイン菓子を学ぶ。その後渡仏、2年間フランスで学んだ後帰国。
1998年長崎市の「スペイン菓子セヴィーリャ」のシェフに就任。
2004年西彼杵郡時津町に「スペイン菓子サン・オノフレ」を開店。
スペインの伝統菓子

2014年02月

 スペインという国は、その地域ごとに様々な文化や風土を持った国である。それゆえお菓子、とりわけ伝統菓子には地域ごとに、色々な特色が見受けられる。私はスペインの地方都市や、小さな町や村を旅して回るのが好きだが、それはそれぞれの土地で、面白い伝統菓子に出会えるからだ。

アビラ
 20年以上昔、一番最初に訪ねた地方都市が、城壁の町「アビラ」だ。この地には、有名な「ジェマ・デ・サンタ・テレサ」がある。
 「聖女テレサの黄身しぐれ(?)」(ジェマ=黄身)とでもいうべきお菓子で、材料はほとんど卵黄と砂糖だけ。今はスペイン各地で見受けられるお菓子だが、ここアビラの「ジェマ・デ・サンタ・テレサ」はややあっさりしていて、やさしい味わいである。アビラの銘菓となった所以であろう。

セゴビア
 水道橋で有名なセゴビアといえば、老舗レストラン「カンディド」に代表される豚の丸焼き料理などが広く知られているが、お菓子でいうと何といっても「ポンチェ・デ・セゴビア」であろう。
 柔らかいスポンジ生地でカスタードクリームを挟み、上にマサパンと呼ばれるアーモンドと砂糖を練った生地を薄くのせて飾り付ける。各国のセレブも訪れるレストラン「カンディド」で出てくるそのお菓子はセゴビアの中でもまた一段と格別の味わいである。

グアダラハラ
 ビスコッチョとは長崎カステラのルーツといわれる、スペインのお菓子であり、実家がカステラ屋である自分にとっても、思い入れの深いスペインの伝統菓子である。ただ一口に、「ビスコッチョ」といっても、地方ごとにまた、季節祭事によっても様々な伝統的ビスコッチョが作られている。
 中でも僕が好きな物の一つにグアダラハラの「ビスコッチョ・ボラチョ」(=酔っ払いのビスコッチョ)がある。このお菓子は、焼いたビスコッチョをある程度時間をおいてから、ブランデー入りのシロップにたっぷりと浸したお菓子である。そのユニークなネーミングもさることながら、思いの外アルコールは控えめで、お酒好きでなくても楽しめる味わいである。
 正直、グアダラハラという街は、観光で訪れるような町並みにはほど遠いのだが、このお菓子があることで、ある程度知名度が上がっているような気がする。そういう点でもこの「酔っ払いのビスコッチョ」のがんばりには親しみを感じてしまうのである。

セビリャ
 スペイン南部のアンダルシア地方は、太陽とフラメンコ、セビリャの巨大な大聖堂(カテドラル)など、最もスペインらしい雰囲気を持った地域である。
 このアンダルシア地方の数ある伝統菓子の中でも、最も有名な物といえば、セビリャのポルボロンであろう。素朴なクッキーのようなお菓子だが、その独特な製法により、ホロホロと口の中でとろけていくような食感が特徴である。僕の店でも、オープン以来人気の菓子となっている。意外性のある食感が人気の理由のようだ。
 これからも、できるだけスペイン各地を旅して、地方の素朴な伝統菓子を広めていきたいと思っている。

山口正見


見た目はカステラにそっくり!?「ビスコッチョ・ボラッチョ」