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Autor del artículo

Kyoko Fujimoto
藤本恭子 / ふじもときょうこ
東京都出身、茨城県在住。
2004年に渡西し、レストラン、パン屋、アイスクリーム屋での修業を経てスペイン王室御用達のパティシエ、パコ・トレブランカ氏に師事、本格的にスペイン菓子制作を学ぶ。
帰国後、2012年11月に「お菓子工房ドゥルセ・ミーナ」を設立。現在はテレビで取り上げられるなど、日本に居ながらスペインと同じ味を楽しめる、と高い評価を得ている。

スペインでのお菓子修行の思い出と、
現在日々感じること

2014年02月

 こんにちは!私は、茨城県守谷市にて焼き菓子専門のスペイン菓子工房ドゥルセ・ミーナを開いております、藤本恭子です。スペイン菓子の製造、店舗や朝市での販売や、通信販売、卸販売などを行っております。今日は、スペインでのお菓子製造の経験や、日本でスペイン菓子を作るなかで、日々感じていることなどについてお話したいと思います。


スペイン菓子工房ドゥルセ・ミーナの店舗の様子。
スペイン全土にあるお菓子や、地方のお菓子など、
約20種類くらいが並んでいます。


「スペインでの日々」
 私は、2004年の終わり頃から4年間スペインに滞在しました。この間に、語学学校でスペイン語を数か月勉強した後、お菓子屋さん、レストラン、パン屋さん、アイス屋さんなどで仕事をし、たくさんのスペイン人シェフや同僚や、近所の方々にお世話になりながら、スペイン菓子について学ぶことができました。地域も多岐にわたり、4年間に計6回引っ越しをし、滞在した町は北から南まで、なんと7箇所(!)にも及びました。じっとしていられない私の性格もありますが、それほど、スペインの各地方の個性や特色の違いが私の興味を駆り立てた、ということでもあります。

 その中でも、お菓子修行時代にアリカンテ県にある、パコ・トレブランカさんの工房で過ごした期間が一番印象的でした!アリカンテ県はアーモンドの産地の一つで、トゥロンの大きな工場が立ち並ぶヒホナという町もあります。私は、アリカンテの街から車で30分くらいの小さな村、モノバールにある工房で約1年半過ごさせてもらいました。

 やはり一年の中でも一番多くの菓子を作るのはクリスマスでした。11月半ばくらいから手作りのマジパンのトゥロンや、チョコレートのトゥロンなどを作ったり、パネトーネやアーモンドのチョコレートがけ、ポルボロン、ブッシュドノエル(Tronco de Navidad)、マジパン人形・・・など。クリスマスに近づくに従って、仕事の時間が長くなり、注文の多い時などは夜9時、10時、になることなどもたびたびありました。

 クリスマスのイブの24日は午前中で仕事は終わり。お店から従業員に、プレゼントとしていろいろなお菓子が配られたり、同僚たちと"¡Feliz Navidad!"とお互い笑顔で挨拶をして家に帰ります。クリスマス当日の25日はお休みで26日から仕事再開。スペインのクリスマスは、1月6日の公現節まで続くため、長く休んではいられません。引き続き注文をこなしたり、ロスコン・デ・レイエス(王様たちのリングケーキ)の準備を始めたりします。クリスマスで帰省していた同僚たちも戻ってきて、「クリスマスどうだった?」なんて会話をしながら、菓子作りをしていました。


マヨルカ島、パルマ・デ・マヨルカにあるお菓子屋さんの前で。



パコ・トレブランカさんの工房(当時)にて。



パコ・トレブランカさんの工房にて、ロスコン・デ・レイエス
(王様たちのリングケーキ)の製造風景



ガリシア地方、シグエイロにあるお菓子屋さんにて、
パンガジェーゴの製造風景。


「日本でスペインのお菓子を」
 帰国後、日本に工房をオープンしたのですが、日本では、スペイン菓子はまだまだご存じない方が多いため、私の茨城県守谷市にあります小さなお店には、スペインに行ったことがあるお客様はもちろん、スペインには一度も行ったことの無い方、また、スペイン菓子初体験の方も多くいらっしゃいます。
 これまでのところ、私が予想していたよりも、スペイン菓子が日本で受け入れられていることを日々感じています。
「ちょっと変わっているけどおいしいからまた買いに来たわ!」
「甘いものが苦手だけれども、これなら食べられるわ!」
「こんな食感のお菓子があったんだ!」
こんな感想を頂くことも多くなってきました。
 使用している香料などが日本の洋菓子とは少し違うため、たとえばバニラではなくシナモンを使ったり、甘いワインの香りをつけたりなど、甘さの印象が異なるのかもしれません。
 お客様とお話しているときによく聞かれることがあるのでここで紹介してみたいと思います。
 「どうしてスペインなの?」
 ポピュラーなフランス菓子ではなく、なぜスペインを選んでお菓子を作っているのかということを不思議に思われることも多いようです。
 スペインに行った際に、今までに食べたことのなかったお菓子を食べて、おいしさに衝撃を受け、自分でも作りたいと思ったことがきっかけです。また、実際にスペインで修行した際、地方ごとに大きな違いがあり、非常に興味深かったので、是非日本にも紹介したいと思いました。  「スペイン菓子の特徴って何?」
 スペインは、アーモンドの生産量世界第2位というくらい、たくさんのアーモンドが作られています。そのため、アーモンドを使った菓子が、スペイン全土にたくさんあります。また、シナモン、アニス、柑橘系の香料、ワイン、ラードの使用や、バターの代わりにオリーブオイルを使うことがあるのも、大きな特徴です。
 材料となるアーモンド、ヘーゼルナッツ、オレンジなど、自国で生産しているおいしいものを使って生産しているお菓子という印象も個人的にあります。
 「おススメはどれ?」
 スペイン菓子を初めて食べるという方からよく尋ねられるのですが、やはり日本でよく知られているポルボロン、あまりクセのない、アーモンドのタルトであるサンティアゴのタルト、バスク地方のバスクケーキなどをお勧めしています。
 まだまだ日本では、スペイン菓子を食べたことがない方がたくさんいらっしゃると思いますが、今後もできるだけスペインへ行き、たくさんのお菓子を紹介したいと思っています。

文・写真提供 藤本恭子


バスクケーキ、中央にはバスクの伝統的な模様が見てとれます。