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Autor del artículo

Montse Marí
モンセ・マリ
関西カタルーニャセンター代表。
1986年、日本スペイン文化経済交流センター エクステンションを創立し、現在も代表を務める。
1998年、カタルーニャ州議会によって承認を受け関西カタルーニャセンターを設立、同館長。
文化振興、国際交流への貢献を認められ、1998年にはバティスタ・イ・ロカ賞を受賞。

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サッカー界に大反響を巻き起こした
日本人カップル初のカンプノウ ウエディング

2014年02月

 昨秋FCバルセロナのホームスタジアム カンプノウで執り行われた日本人初となる結婚式のニュースは、インターネットを通じ瞬く間に世界中のサッカーファンに届いた。このニュースは新聞をはじめ、インターネットサイト、facebook、スペインや日本のテレビ番組など各種メディアでとりあげられた。一般人の結婚式がこれほど反響を呼んだのは初めてではないだろうか。

 15年前からタッグを組み、日本人カップルのスペイン挙式を専門に手掛けてきた私たちジョイア・ウェディングスとアリスウェディング。これまでもバルセロナを中心として数々のロケーションを日本人カップルのために開拓してきたが、今回、サッカーファンの聖地カンプノウで日本人初となるカップルの挙式を実現させることができた。

 結婚式が執り行われたのは2013年10月24日。新郎新婦、岸本夫妻は、人生で最高の一日だったと言っても過言ではないと語る。それは、ふたつの夢がかなった瞬間だった。愛する人と結婚すること。そして、ふたりにとって地上の楽園である場所で結婚式を行うこと。



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 カンプノウのようなスケールのロケーションで、その壮大さを失うことなく、チャペルのような親密な空間を創り出すことは不可能だと思う人もいるだろう。様々なロケーションでの結婚式を手掛けてきた私たちにとって、実際にはそれほど難しいことではない。ゴシック建築の大聖堂で親密な空間を創り出すのと基本は同じだ。私たちが結婚式をコーディネートする時のポイントは、何よりもまず新郎新婦の立場に立つこと。人柄や要望、なぜ他の国ではなくスペインを選んだのかを理解する。それができたら、次のステップは結婚式を執り行うロケーションのポテンシャルを最大限引き出すにはどうすればいいか見極める。同じ結婚式などひとつもない。一組として同じ新郎新婦はいないのだから。

 岸本夫妻が話題になったのは、式場がカンプノウだったからだけではない。ふたりには持って生まれた魅力があった。式当日にふたりの部屋を訪れた瞬間、これまで手掛けてきた新郎新婦の中でも指折りのカップルだと直感したとヘアメイクアーティストが後日私に語った程である。とはいえ外見の美しさだけでは不十分だ。互いへの愛情や夢や情熱が伴っていなければ輝きは生まれない。岸本夫妻はその全てを兼ね備えていた。結婚式のコーディネートを任された私たちはもちろんあらゆる点において入念に準備していたが、新郎新婦も同じく細部への配慮を怠らなかった。リングピローはバルサのチームカラーを使ってつくられ、新婦のネイルもバルサカラーのデザイン。結婚指輪の内側にもバルサにちなんだ言葉が刻まれていた。新郎新婦と私たちは互いに驚くほどのこだわりを見せ、結果として更に高め合うことができたといえる。

 ところで、カンプノウで結婚式を挙げるとなると、気になるのは費用ではないだろうか。確かにスタジアムでの滞在時間から計算するとその費用は高額だ。しかし、そこから得られる感動からすれば大した金額ではないだろう。岸本夫妻にとって感動する理由は数えきれないほどあった。そのひとつは、カンプノウで結婚式を挙げた日本人初のカップルになれたこと、しかも外国人としてではなく地元のカップルとして実現することができたことだ。

 結婚式はカタルーニャ語で執り行われた。日本語の通訳もあったが新郎新婦は「Si, hi consento(『はい、誓います』)」とカタルーニャ語で誓いの言葉を述べた。式には、カメラマンが少なくとも4名、バルサTVの撮影スタッフ、新聞記者、新郎新婦の家族など多くの人々が立ち会った。新郎新婦がカタルーニャ語で誓いの言葉を述べるのを聞いて皆が驚いたが、その後には更なる感動が待っていた。指輪交換が終わっていよいよ結婚式が終わりに近づいた時、新郎が「Visca el Barça, Visca Catalunya!(『バルサ万歳、カタルーニャ万歳!』)」と叫んだのだ。その場に居合わせた誰もが心を動かされた。

 新郎は15年間一度たりともバルサの試合を見逃したことがない熱狂的なファン。当然、結婚式でもイムノをききたいと希望していた。ただ、あくまでもこれは結婚式。録音されたイムノをスピーカーから流すのはそぐわない。それでは結婚式の温かい雰囲気を台無しにしてしまう。そこで、バルセロナで活躍する合唱団をスタジアムに呼び、結婚式の最後に生でイムノを歌ってもらうことにした。岸本夫妻も声をあわせて歌い、感動的な締めくくりとなった。

 新郎新婦にとっても、立ち会ったご家族にとっても、おそらく生涯記憶に残る一日となっただろう。結婚式の前には、バルセロナの街をめぐるフォトツアーに出かけた。バルセロナは1992年のオリンピック開催地。真っ青な空の下、バルセロナ五輪に縁のある地を巡ることでスポーツを愛する気分も自然と盛り上がる。フォトツアーの後には、バルセロナの老舗パティスリーがこの日のために特別にデザインしたバルサのエンブレムが施されたチョコレートケーキとカバでアペリティフを楽しんだ。そして、カンプノウへ。式の前にスタジアム内をめぐって写真撮影を行い、いよいよ結婚式。式が終わると、新郎新婦は家族と共に、ガウディが手がけたバルセロナのレストランでディナーを楽しみ、この特別な一日を締めくくった。

 サッカー、美味しい食事、音楽、芸術、ガウディの建築、地中海…。バルセロナで結婚式を挙げるカップルがこの街から得るものは、まだまだある。

文 モンセ・マリ



バルサカラーのリングピロー



バルサをモチーフにしたネイルアート



ブライダルブーケに添えられた カタルーニャの旗のリボン



まるでスターになった気分



指輪に刻まれたFCBの文字