スペインと日本をつなぐ人びと 1º
中村美和

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スペインの各分野で活躍する日本人にインタビューするシリーズ第一弾。
今回は、日西観光協会会長の下平晴朗氏に、スペインと日本の観光の展望と、
今求められるスペイン語関連の人材についてお話を伺った。

下平晴朗|Haruo Shimohira
日西観光協会会長
ミキトラベル勤務。マドリード在住
www.travelinfospain.net

インタビュアー:中村美和 / Miwa Nakamura

TodoMadrid でインタビュー動画を配信中!

 下平氏が会長を務める日西観光協会は、在スペインの日系ツアーオペレーターやスペイン各都市の観光局を会員に持つ非営利団体で、1987年の創立以来、日本人観光客の誘致を目的として、スペインの観光情報の共有や日本人観光客の安全面のサポートなど、会員間の連携を行ってきた。

「スペインへの日本人観光客は年々増えていて、およそ40万から50万人といわれています。加えて、スペイン国内の周遊先や旅のスタイルも多様化しています。一方、スペインでの日本旅行のブームも6-7年前ほどから始まっています」長年スペインで観光に携わってきた下平氏は、近年のスペイン・日本の観光業界の状況について、このように語った。

「しかし、スペイン人観光客向けに紹介されている地域は、東京、京都、大阪などまだ限られています。日本には訪問する価値ある地方都市はまだまだあります。日西観光協会として、スペインのお客様に、より多くの訪問先を提案したいと考えています」と、訪日観光の課題にも取り組みにも意欲的だ。

 その活動のひとつが「支倉リーグ構想」だ。下平氏は2017年11月に、400年前の支倉常長遣欧使節団の末裔であるハポン姓の人々が住むセビリアのコリア・デル・リオの市長と日西支倉協会会長フアン・フランシスコ・ハポン氏と共に、支倉ゆかりの宮城県の仙台市、石巻市、大郷町、川崎町、山形県の米沢市を訪問し、同じく慶長使節団が訪問したメキシコのアカプルコ、キューバのハバナ市、イタリアのチヴィタベッキア、そしてスペインのコリア・デル・リオを結ぶ「支倉リーグ」の提案をした。支倉常長の歴史を軸に、交流や協力を活性化する狙いだ。

 また、2018年は日本とスペインの国交樹立150周年にあたる。さらに両国間の交流が盛んになる見込みだ。

 このような状況から、日本でのスペイン語の重要性は非常に高まっている、と下平氏は語る。「日本の通訳ガイドのライセンスは緩和されましたが、それでもまだスペイン語で観光客をアテンドできる人材は日本で不足しています。スペインと中南米からの訪日観光客は約15万人。この数は年々増加しています。『日本国内でスペイン語で観光客のアテンドやサポートできる人材』が必要とされています」

 また下平氏は、日本とスペイン間のワーキングホリデー制度を利用した観光インターンシップの可能性についても語った。「日本とスペインの地方自治体間で手を組んでいただき、スペイン語ができる日本人、日本語ができるスペイン人にそれぞれの自治体のサポートで滞在してもらい、その良さを発信してもらう。今後、ワーキングホリデー制度もぜひ活用していきたい」と、日本とスペイン両国の地方の魅力発信に意欲的だ。

 


支倉常長率いる慶長遣欧使節団の子孫ハポンさんたちと共に日本とスペイン、メキシコ、キューバの都市をつなぐ「支倉リーグ構想」に挑む



中村 美和 / Miwa Nakamura

情報工学修士、日本での電機メーカー勤務を経て、2007年に渡西。マドリードにていくつかの企業のウェブシステム開発等に携わった後、CROSSMEDIA WORKS,S.L.を起業。
主に観光や食に関わるプロモーションや、雑誌、ガイドブック、テレビなどの取材コーディネイトの他、マドリード情報を発信するtodomadrid.infoなどを運営。
twitter : @n_miwa @spain_go

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