スペインバスク サン・セバスティアンでおいしい生活 2
沼山香織 Numayama Kaori

 

ここサンセバスティアンを筆頭に、今やバスク地方は「美食の街」としてその名を知られてきている。実際、1㎡あたりのミシュラン星つきレストランの数は、パリに並び世界のトップだ。しかし、サンセバスティアンが美食の街として注目されている理由はそれだけではない。

もうひとつの由縁。それはなんといってもこの街に根付くバル文化だろう。週末の夕方ともなると、サンセバスティアンの旧市街は、人々のエネルギーと、色鮮やかで個性的なピンチョスでうめつくされる。

前回に引き続き、このサンセバスティアンの食文化の魅力に引き付けられ、こちらで料理修行中の埴岡さんのインタビューをお届けします。

 

埴岡龍顕(はにおか たつあき)
2012年の5月からサンセバスティアンに留学中。
現在、ラクンサでスペイン語を勉強しながら、
地元のバスクバルのキッチンで料理の修行をしている。
(2013年2月、記事掲載時の情報です

 

Q. 現在はどんな生活を送っているのですか?

→ 現在も引き続き午前中はラクンサでスペイン語を勉強し、午後は地元のバルのキッチンで研修をさせてもらってる毎日です。休日は地元の友達や彼女と一緒にバル巡りをしていますね。

 

Q. バスク地方の食文化の何が好きですか?

→なんといっても、私はピンチョス文化が大好きですね。バルはいつでも人々の笑い声で溢れ返って、気の知れた仲間とおいしいピンチョスをつまむ、最高ですね。正直、自分は「ワインは飲む前に空気をいれなきゃいけない」とか大嫌いなんです。そんなのどうだっていいじゃないですか。(苦笑) こちらのバルでは、洗い立てのまだ水が切れきれていないグラスにワインを注 がれることだってあるし、ちょっとだけお皿が汚れてることだってある。(笑) でもそんなのご愛嬌なんですよ。バスク人たちはおしゃべりに夢中で、そっちが楽しすぎて、そんなことをいちいち気にしている暇がない。そんな雰囲気で食べるピンチョスが大好きなんです。おいしければいい、楽しければいいんです。

 

 

Q. 日本の料理人として、バスクの料理の世界ではどのように見られていると思いますか?

→私のレストランのボスからは、「日本人はきっちりしているから大好きだ」と言われたことがあります。本当に普段は大雑把で楽しいことが大好きなこっちの人ですが、料理となると話は別。いかに無駄を省くか、いかにおいしく食べてもらえるか、それに対する情熱は日本もバスクも一緒ですね。でも、日本のように上下関 係は厳しくないのが印象的でした。働くときは一生懸命集中して働く。それ以外は先輩も後輩も口笛ふいて、おしゃべりして楽しむ、それがバスク流のようです。

 

Q. 将来のプランは何ですか?

→スペインでもうしばらく修行をし、その後は日本のレストランでももう少し修行を積みたいですね。その後は、日本でこっちのバルのように開放的で気さくなスペインバルをオープンしたいです。

 

 

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