第15回 Sobrino de Botín(ソブリノ・デ・ボティン)
中村美和 Miwa Nakamura

“ボティンの2階で昼食をとる。ここは世界中で最高のレストランの1つだ。子豚の丸焼きを食べて、リオハ・アルタのワインを飲んだ。”

ヘミングウェイの小説『日はまた昇る』にこのような一節で登場するのが、今回紹介するマドリードの老舗レストラン、ソブリーノ・デ・ボティンだ。開業は1725年と極めて古く、ギネスブックに「世界最古のレストラン(*)」と認定されていることでも知られている。スペイン絵画の巨匠フランシスコ・デ・ゴヤも、マドリードへ上京した1765年頃に皿洗いとして働いていたという逸話も有名だ。創業以来、何世紀にも渡って、伝統的なカスティーリャ料理で世界の美食家達の舌を楽しませてきたボティンの代名詞ともなっているのが、コチニージョ(子豚の丸焼き)だ。草を食べる前の乳飲み子豚の柔らく臭みの少ないミルキーな肉質と、開業当初から現役の薪オーブンで職人たちが丁寧に焼いたパリパリの皮の香ばしさのコンビネーションを心ゆくまで堪能しよう。ヘミングウェイに倣ってリオハワインもお忘れなく。それ以外の一皿を挙げるのであれば、鶏のペピトリアだろう。玉ねぎ、卵黄、アーモンド、サフランなどを使ったクリーミーなソースで煮込んだ伝統的な鶏料理で、米と併せていただく。サフランやアーモンドの香りが効いていて、日本人の舌にも合う一皿だ。ちなみに、世界的に知られる人気店ゆえ、これから訪問される方は、事前の予約をお勧めする。

*実際の「世界最古のレストラン」の称号については諸説あり。


【住所】 Calle Cuchilleors 17, 28005 Madrid
【電話】+34 913 66 42 17 / +34 913 63 30 26
http://www.botin.es
上記情報は、2017年5月時点のもので変更する可能性があります。


マドリードでもグルメが集まることで知られ る、ポンサノ通りに面した店舗

バルバテ出身のシェフ、ダミ アン・リオス

スプラウトとトリュフ、カレー風味のソースにごま油を使ったカルパッチョは、香りと食感を楽しめる

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