2019年04月
Santillana del Mar
中世へのタイムスリップの町
フランスの作家ジャン=ポール・サルトルが「スペインで最も美しい村」と讃えたサンテリャーナ・デル・マル。旧石器時代の壁画で有名なアルタミラ洞窟から2kmほど離れた小さな町だ。家屋や道路は古式蒼然とした雰囲気。中世のままに保存されている石造りの家、石畳みの繊細さに魅かれ絵にした。ちょうどペン画を始めた頃で、この絵には淡い色を加えたのを思い出した。懐かしい。自分にとって最初の絵画である。
この町は、歴史的には12世紀頃、スペイン南部の貴族たちがイベリア半島北岸のPicos de Europa(ヨーロッパの峰)を超え、イスラムの侵入から避難しここに住みついたのが起源と云われている。中世時代の建築 物が残り、のんびりと散策しながら、数百年前と変わらないたたずまいを味わうことができる。
牧瀬 貢 / Mitsugu Makise
一般社団法人横浜スペイン語センター前理事長。横浜市戸塚区在住。1961年、ブリヂストン横浜工場にエンジニアとして転勤、ここを拠点に数多くの国内・海外経験を積む。ドイツ、カナダ、米国、イギリス、スペインに駐在。短期的な出張含め世界100ヶ国を経験。とりわけ、最後の駐在地スペインの風土、国柄に惚れ込み、北部バスク・ビルバオに駐在、休暇中に17州51県をくまなく廻り、また定年後、思い出の場所での絵画制作を楽しむ。