一度は見たい水道橋(Acueducto)のある町、セゴビア│SEGOVIA

 セゴビアはスペイン・カスティーリャ・イ・レオン州セゴビア県の県都で、マドリードの北西に位置しています。マドリードから速い電車なら約30分、バスで1時間から1時間半ほどで行けるので、日帰りも可能です。ローマ時代に作られた水道橋がある町と言ってもピンとくる人は少ないかもしれません。でも、歴史の教科書などで水道橋の写真を見たことがある人は多いと思います。見れば、「ああ、これ!?」と思うはず。

 1世紀後半から2世紀初頭にかけて作られたとされるセゴビアの水道橋ですが、保存状態は良好で、20世紀に入っても実際に使用されていました。ローマ人の技術の高さがうかがえます。 

■水道橋(Acueducto)

 セゴビアには高速列車の停まる駅と在来線の停まる駅があり、水道橋のある町の中心部までは少し離れているのでバスかタクシーに乗る必要があります。マドリードからバスで行くと、セゴビアのバスターミナルから歩いて10分足らずで水道橋に行けるので、バスの方が便利かもしれません。バス停からしばらく歩くと目の前に水道橋が見えてきます。水道橋のたもとには観光案内所があります。

 実際に水道橋を見ると、その高さやアーチの数、石の積み方などに驚かされます。接合材を使用せず、花崗岩を積み上げただけで作られているとは信じられないほどです。全長約16km、アーチの数は全部で167個で、アーチ両側の荷重のバランスが取れるように木型をはめて作られたそうです。石をよく見ると、持ち上げるために使用された道具のための穴があいていたり、上下で微妙に大きさが違っているのがわかります。どれだけの人が働き、どれだけの時間をかけて作られたのかを考えずにはいられません。その偉大さに、悪魔がこの水道橋を作ったという伝説があるのもうなづけます。

■アルカサル(Alcázar de Segovia) 

 白雪姫のお城のモデルになったと言われるアルカサル。2つの川の合流する場所に作られたこのお城は、外から見ると軍艦のようにも見えます。川にはさまれ、断崖絶壁に建てられている地形的な利点もあってか、歴代の王に気に入られ増改築が繰り返されました。もともとは古代ケルト人のお城の跡を利用して建てられました。

 フアン2世とエンリケ4世の時代にゴシック様式に改築されています。エンリケ4世の死後、イサベル女王がこのアルカサルで即位を宣言し、マヨール広場でスペイン王として戴冠しました。その後、1862年の火災で大部分が消失しましたが、1882年にアルフォンソ13世が再建を命じ、現在の姿に至っています。

 多くの王が居住したアルカサル。強さと美しさを兼ね備えたお城とも言われます。外部だけでなく内部も様々な趣向が凝らされ、ゆっくりと見る価値があります。

 マヨール広場から歩いて10分ほど、水道橋からは20分ほどです。街の眺めを楽しみながら歩いていけます。

・開館時間:月曜日から日曜日 10:00-20:00

■セゴビア大聖堂(Catedral de Segovia)

 1525年、カルロス5世の時代に建築が開始され、50年以上かけて完成されました。後期ゴシック様式の建物で、その美しさから「大聖堂の貴婦人」と呼ばれ、人々に親しまれています。

 マヨール広場からその姿を眺めると、荘厳さと美しさを兼ね備えていて貴婦人と名がついたのも納得できます。高さよりも横の広がりを感じさせる建物で、小さな塔のような飾りがたくさんあり、目を引きます。半円形の部分、回廊、礼拝堂の3つの部分から構成される建物は独特な調和を感じさせます。内部もステンドグラスやバロックオルガン、絵画や彫刻など見ておきたいものがたくさんあります。

・開館時間:
11月から3月の月曜日から日曜日:9:30 -18:30
4月から10月の月曜日から日曜日:9:00 -21:30

■その他

 セゴビアに行ったら、名物料理の子豚の丸焼き(cochinillo asado)も食べてみてください。水道橋の近くにも街の中にも子豚の丸焼きを食べられるレストランがあります。甘いものが好きなら、シロップを含ませたスポンジケーキでカスタードクリームをはさんだポンチェ・セゴビアーノ(ponche segoviano)がおすすめです。

 日本からの観光客が増えているのか、街の中の観光案内の看板には日本語表記されているものがあります。少しホッとできるかもしれません。

■公式サイト
segovia.jp

セゴビア観光局(日本語)
facebook.com/turismodeconsuegra

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