2017年08月
2017年5月3日に毎年恒例となっている「立川フラメンコ」が行われました。今年で14年目となるこのイベントは立川駅南口のすずらん通り、いろは通りを会場としたフラメンコのイベントです。メインイベントでもある500人によるセビジャーナス・パレードをはじめ、学生やアマチュア、一流のプロアーティストまでが同じステージ上で華やかな踊りと音楽を披露するフラメンコライブなど一日中 フラメンコを楽しむことができるお祭りです。今年はお天気の心配もなく、通りには華やかなフラメンコ衣装を着た約500人の踊り手たちが集結し、青空の下で賑やかにセビジャーナスを踊りました。スペイン南部セビーリャ地方の春祭りでは老若男女がセビジャーナスを踊って祭りを楽しみます。立川フラメンコもこの春祭りをイメージして誰でも気軽に参加できるお祭りにしたいという気持ちから始まりました。
昨年から新設されたカセータステージでは本場セビーリャの会場がそのままやって来たような、出演者や観客が同じ場所に集い、歌い、踊る、素晴らしい雰囲気でイベントを締めくくることができました。
思えば14年間、初めは25人から始まったセビジャーナス・パレードも今は500人に。立川フラメンコもついにここまで来 たか……というのが正直な今の気持ちです。日本中からフラメ ンコのアーティストはもちろん、練習生や愛好家たちが集まって来てくれることをとても嬉しく思います。それも私が地元出身ということもあり、たくさんの人達の温かい応援、協力があってこそなのだと改めて実感しています。
スペインの南部アンダルシアで生まれた「フラメンコ」は遠く東の果てにいる日本の私たちをどこか熱く、魅了します。そんなフラメンコの魅力に取り憑かれた1人として、今後も「立 川フラメンコ」というイベントを通してフラメンコの魅力をたくさんの人に伝え、街の活性化と共に続けていけたらと思っています。
文 / 堀江朋子
立川フラメンコとは?
東京・立川のすずらん通り商店街では、毎年「すずらんフェスティバル」という商店街活性化イベントを実施し、すずらんの苗やエコバッグを無料配布したりしていましたが、それだけではなく「ライブをやろう」と、2002年にJRAウインズ立川(場外馬券場)の屋内にステージを設けて、この街出身のフラメンコ舞踏家、堀江朋子さんと、フラメンコのライブを行いました。それから地元のフラメンコ愛好家のグループ「立川フラメンコ倶楽部セビージャ」も参加して、現在の「立川フラメンコ」へと成長しました。
すずらん通り近くで生まれ育った堀江さんは、大学でスペイン語を専攻し、フラメンコサークルに入り、卒業後もフラメンコを続け2000〜2002年にスペイン・セビーリャに留学。プロの道を歩みました。また「立川フラメンコ倶楽部セビージャ」は、地元の愛好家、内藤裕子さんと、地元アマチュア音楽家の支援活動をしている鈴木一廣さんらが、本場スペインの3大祭りのひとつである「セビーリャの春祭り」のように皆で参加できるお祭りを目指して1998年に結成しました。
2004年には商店街の街路を車両通行止めにして路上でのパレードを始め、これを、フラメンコをメインとしたイベント「立川フラメンコ」の第1回目としています。当初路上パレードはまだ20数人の規模でしたが、毎年徐々に参加者が増え、イベント内容も路上特設ステージでのフラメンコライブ、2008年から駅前の商業ビル「アレアレア2」内での同時開催ライブ、2009年から商店街に面したライブハウスでのスペイン人ライブ(有料)など、企画を膨らませていきました。
また前日夜にJRAウインズ立川A館内で行う「前夜祭」、1週間ほど前から商店街のいろいろなお店内で宣伝を兼ねて「流し」で踊る「出前フラメンコ」、モノレールの駅構内や駅前の百貨店の店先でもフラメンコを披露するなど、活動 内容はその年に応じて様々に展開し、充実してきました。路上を埋め尽くす「セビジャーナス・パレード」では、各フラメンコ教室、各地の愛好家グループや、大学のフラメンコサークル、そして個人参加、当日飛び入り参加などで、約500人もの華やかなバイレが、セビーリャの春祭りでも踊られる民族舞踊曲”SEVILLANAS”(セビジャーナス)をステージでの生ギターと生カンテで繰り返し舞い踊ります。
2013年秋からは、参加してみたい人向けに、初心者向けフラメンコ教室も始め、2015年からは近くの駐車場屋上に「カセータ」を設置。毎年20,000人以上の人出と言われる、多摩地区の一大イベントに発展しました。
本年は、スペイン人ライブに代わり「日本フラメンコ協会後援スペシャルライブ」を行うなど、交流の輪も広げています。
主催:立川南口すずらん通り商店街振興組合
[Web] http://e-ttm.co.jp/flamenco/