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Eco España vol.8 再生可能エネルギー大国スペイン


篠田有史

スペインでは、古くから風力がエネルギーとして使われてきた(カンポ・デ・クリプターナ)

 スペインで再生可能エネルギーといえば、やはり風力発電である。ドン・キホーテの時代から、ラ・マンチャ地方にはたくさんの風車が立っていた。が、今その中心となっているのは、スペイン北東部のアラゴン地方である。この地方では年中強い風が吹き、発電機の羽根を回している。そのほか、全国各地に発電用の風車が立ち並び、車をとばしていると、巨大なはねを運んでいるトラックとすれ違うこともある。それほどまでに、スペインには風車が多い。そんなわけで、風力発電の電力供給率は、約21パーセントにもなる。

ラ・マンチャ地方の丘にならぶ発電用の風車

 前回・前々回では、スペインならではの、太陽熱とオリーブを利用した再生可能エネルギーを紹介したが、スペインでは風力のほか、一般的な太陽光パネルを利用した発電や、地熱発電も行われている。

 日本では、発電と送電は同じ会社が行っているが、すでにスペインでは、別々の会社が受け持っている。スペイン電力ネット(REE)は、送電を受け持つスペイン唯一の会社である。そしてここには、世界最初の再生可能エネルギーコントロールセンター(CECRE)が併設されている。CECREのモニターには、風力、太陽光・熱、水力による発電量がリアルタイムで表示されている。再生可能エネルギーの欠点は、供給が不安定なことだが、ここで調整し、配電している。

スペイン電力ネット(REE)のメインモニター

再生可能エネルギーコントロールセンター(CECRE)

 公園や学校などの公共施設には、太陽光パネルを設置してある所も多く、学校では、原発の問題や再生可能エネルギーの教育も行われている。マラガでは、スマートコミュニティの実証実験が2013年4月から始まり、日本製の電気自動車200台が導入されている。

 スペインは、再生可能エネルギー大国ともいえるエコロジーな国である。

公園に設置された太陽光パネル

小学校でも、太陽光発電の教育が進んでいる

マラガはスマートコミュニティを目指している

fotos ©︎Yuji Shinoda



篠田 有史 / Yuji Shinoda

1954年岐阜県生まれ。フォトジャーナリスト。24歳の時の1年間世界一周の旅で、アンダルシアの小さな町Lojaと出会い、以後、ほぼ毎年通う。その他、スペイン語圏を中心に、庶民の生活を撮り続けている。【写真展】冨士フォトサロンにて『スペインの小さな町で』、『遠い微笑・ニカラグア』など。【本】「ドン・キホーテの世界をゆく」(論創社)「コロンブスの夢」(新潮社)、「雇用なしで生きる」(岩波書店)などの写真を担当。

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