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acueducto 17 特集「友好の道~和歌山県・ガリシア州交流の記録~」

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スペイン・ガリシア州への青少年代表団派遣に参加して


尾﨑美和

 今回参加させていただいたガリシア研修の10日間の有意義な時間はいままでにない大変貴重な経験となりました。とくに現地の方から言葉の壁を越えた温かいおもてなしは言葉で表すことのできないくらいの喜びでもあり感動でもありました。

 今回の旅を実際に経験して痛感したのは自分の語学力の未熟さでした。自分の持てるコミュニケーションスキルを駆使してみたものの思うような意思の疎通が計れなかったため自分の気持ちが後ずさりしたのも確かでした。思うにそれは頭の中で言語コミュニケーションだけが前面に突出してしまい、自分の中で難しくとらえてしまっていたからかもしれません。

 普段は、どちらかというと自分の中で得意としていたコミュニケーションスキルだったのに、なぜか急に自信喪失のうえ苦手意識まで重なり、突然、何も手が出ないような、臆病になりそうな気持ちに陥りました。しかしそんな私の気持ちを再び解放し引き出してくれたのはホームステイ先のホストファミリーの優しさでした。ホストマザーは英語が話せなかったため、言葉での意思疎通は難しいものでした。そのかわり、いつも私を思いっきり抱きしめてくれました。そのハグには言葉を越えた温かさや愛情がとても伝わってきました。言葉の壁というものは確かに存在しますが、非言語コミュニケーションの方が相手の気持ちや思いがより深く伝わるのだと実感しました。

 豊かな緑や自然が多く、歴史が感じられるガリシアの町並みや景色はどれも日本とはまた異なる素晴らしいものでした。その中でも海岸から見た広大な大西洋とその上に広がる青空を見たときは思わず息をのむ美しさで感動し、大海原の開放感にひたることで、日頃の私の悩みがちっぽけなものに感じました。いまの私は17歳の混迷期の真っただ中とも思えます。

 自分の歩むべき道を自分自身で一つずつ選択し、決定するという自立への足がかりへの難しいプロセスを自らの力で進まなければいけないという不安も大きい時期に、いままで机上の知識でしかなかったヨーロッパの異文化に触れ、初めて出会う異国の人々との交流を、短期間とはいえ深められたことなど、数多くの思い出はきっと今後の自分自身への自信や励みになることと確信できました。

 私は以前から学生のうちに憧れである欧米にいつかは行きたいとずっと夢に抱いていました。高校1年生のころから学業の傍らファーストフード店でアルバイトを少しずつ行い、いつか自分の夢が実現できることを願ってこつこつとお金を貯めてきました。

 このような機会に恵まれ、沢山の仲間と和歌山県の研修プログラムに参加できました。スペインでの貴重な経験は私の今後の人生の土台となって行くことでしょう。

 

田辺高校2年
尾﨑 美和

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