2016年02月
オリーブオイル生産世界一の国スペイン。その生産量は、世界の約45%を占め、絶対的な地位を誇っている。アンダルシア州ハエン、コルドバ、グラナダ、マラガ、セビージャ県には幾重にも続くオリーブの大海原が広がり、そこに存在するオリーブ1 本1 本は、何百年、何千年もの間、人々の生活と共に生きてきた歴史の証人だ。ここ数年、その景観をユネスコの文化的景観遺産として登録する動きが出てきており期待されているが、グローバリゼーションをはじめとする時代や生活の変化により、代々受け継がれてきたオリーブ畑の維持が困難な農家も増えてきている。それらへの対策が急がれる中、厳しい状況が生み出したプラス影響も出てきた。品質を追求し日々よい製品を頑張って作ろうと試行錯誤する生産者が急激に増加していることである。今まで生産量に注力していたスペインのオリーブオイル生産者は、“品質” にフォーカスし、そのアクセルを今思いっきり踏み始めたというところであろうか。その証拠にワールド・ベスト・オリーブオイル・ランキングという世界的に顕著なコンテストをポイント付けして総合評価しているサイトでは、スペイン勢が上位20位中10以上を占めている。一方、長寿の秘訣とされる“地中海ダイエット” においてオリーブオイルはその中心的存在であり、健康との関係が人々によって注目され始めた。人体はその機能故、油の摂取は必須だ。それでは、どの油を選ぶかということになってくるが、それは、オレイン酸、ポリフェノール、ビタミンE を豊富に含んでいるオリーブオイル以外にはあり得ないではなかろうか。それでは、これからそのオリーブオイルの世界に入って行こう。