特集

ESPECIAL

acueducto 36 特集「フラメンコ人生、若手が輝く」

PDF記事

PDF掲載誌

「全日本フラメンココンクール」について


小松原庸子, 志風恭子

「全日本フラメンココンクール」
TEXTO = Kyoko Shikaze

「誰でも参加できるコンクールがあるといいな、と思ったんです」と、小松原庸子は語る。日本のフラメンコの歴史を牽引してきたスペイン舞踊家。1960年代にスペインに渡り、歴史的名教授たちの教えを受け、ラファエル・デ・コルドバの舞踊団などで活躍した小松原は1969年に自らのスペイン舞踊団を結成。その50周年記念公演を開催する2019年、全日本フラメンコ・コンクールを2018年に引き続き開催する。
 コンクールというと、新人が世に出るためのジャンピングボードを想像する人が多いだろう。実際、スペインでも日本でも、年齢制限のあるコンクールが多い。
「日本ではフラメンコを始める年齢も遅いことが多いですし、気が付くとコンクール挑戦は不可能だったということもあるのではないでしょうか。でもコンクールは若い人たちだけでなく、誰にでも有意義なものだと思います」
 コンクールは結果だけがクローズアップされがちだが、実際はコンクール挑戦という目標に向けて努力することや、プレッシャーの中、観客やスペイン人アーティストや専門家で構成される審査員の前で踊ることで得るものも多い。現在の自分と向き合い、新たな目標も生まれることだろう。なお、優勝者には、スペインの名門タブラオや舞踊団50周年公演でスペイン人アーティストたちと共演のチャンスが与えられるというのも魅力的だ。
「昨年はプロの方も多く参加されレベルの高いものとなりましたが、入賞されなかった方も皆、輝いていらっしゃいました。人前で踊ることがあまりないという人もぜひ、参加していただければ嬉しいです」

志風 恭子 / Kyoko Shikaze
1987年よりスペイン在住。セビーリャ大学フラメンコ学修士。フラメンコ・ジャーナリストとしてスペイン情報を発信するとともに通訳コーディネーターとして数多くのフラメンコ公演に携わる。


誰もが輝くための舞台
TEXTO = Yoko Komatsubara

 2018年に引き続きスペイン大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京のご後援を得て、2019年も全日本フラメンココンクールを開催できますこと、大変嬉しく存じます。志風さんが私の思いを書いてくださいましたので、私はこの紙面をお借りして多くのフラメンコを志す皆さんにお役に立てるコンクールとなるように努力していきたいと一生懸命です。多くの皆様がそれぞれの思いをフラメンコに託し、舞台で表現する喜びを感じて踊ることを願っています。

小松原庸子 / Yoko Komatsubara
邦楽の家に生まれる。幼少より日舞を学び、その後、クラシックバレー、俳優座で演劇を学ぶ。ピラール・ロペスの日本公演に感動。修行後、スペイン舞踊研究所を開所、1969年、小松原庸子スペイン舞踊団を結成、本年、50周年を迎える。多くの舞踊手を育てながら現在もその真髄を伝えるため公演活動を国内外に展開、各国で高い評価を得ている。

小松原庸子スペイン舞踊団
東京都杉並区高円寺南4-34-13
Tel:03-3314-2568
www.komatubara.com


第2回 全日本フラメンココンクール
予選:6/15東京、6/16大阪、6/22仙台
本選:6/30
会場:インスティトゥト・セルバンテス東京

[主催およびお問合せ先]
全日本フラメンココンクール事務局
Tel:03-3314-2568

VOLVER

PAGE TOP