vol.1 Salsa Romesco ロメスコ・ソース
渡辺万里

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 あなたが、外国で暮らしていたら。そして日本食を食べたいけれど、日本の食材を売っていない、あるいは売っていても高価で買いたくない。そんな時、醤油が1本あったら、なんとか日本風のものを作って食べるのではないでしょうか? 醤油1本あれば、日本風の味の料理が作れる。それはあなたが生まれてからずっと日本の料理を食べてきて、味をよく知っているからです。同じようにスペインの人が日本で暮らしていたら、材料がすべて揃わなくても、スペインの味が作れるはず。その時、醤油に代わる味の決め手になるのが、オリーブオイルなのです。オリーブオイル1本だけ用意して、あとは日本で手軽に手に入る材料でスペインらしい味を楽しむ。しかも、できるだけ簡単に。そんなシリーズの始まりです!

 スペイン料理の味付けは、ピメントン(調味料のパプリカ)に始まりピメントンに終わります。だから、料理が赤い。日本の家庭のお惣菜やお弁当を「茶色い」と表現することがありますが、スペインのお惣菜は「赤い」のです。しかも粉末のピメントンだけでなく、ピミエント・セコ(乾燥させた 赤ピーマン)もよく使います。スペインの地方に行くとよく見かける、軒先に藁でつないだ赤ピーマンが干してある光景。あれはその乾燥赤ピーマンを作っているのです。バスクではピミエント・チョリセーロ。カタルーニャではニョーラスという品種を使います。カタルーニャ地方の万能ソース「ロメスコ」も、実はニョーラスが大切な味のポイント。でもニョーラスは日本で入手できないので、それがなくても美味しくできるロメスコをご紹介します。近くのスーパーで入手できる素材だけで、美味しいロメスコのできあがり。炭火で焼いたネギに添えるのが有名ですが、それ以外の野菜を焼いたものにもぴったり。魚介類も焼いた肉も、これだけでカタルーニャの味に……本当に万能ソースです。

 あ、にんにくを丸ごと調理するので、びっくりしないでくださいね。これは1個丸ごと、1片の間違いではありません。

 では、早速作ってみてください。美味しく作れたというご報告を、待ってます!


 

材料

 

完熟トマト 大2個
にんにく 丸ごと1個
赤ピーマン
(パプリカ)
1個
アーモンド(スライスでもホールでも) 80g
バゲットパン 1〜2枚
オリーブオイル 1カップ
ビネガー 1/4カップ
粉末パプリカ 大さじ3
たかのつめ 1本
適量

 

作り方

 

1. トマト、にんにく、赤ピーマンを、ホイルに載せて、オーブントースターで焦げるまで焼く。

2. 焼き上がった野菜の皮を剥き、ミキサーに入れる。

3. アーモンドとパンは、フライパンで、やや高温のオイルで揚げる。

4. すべての材料をミキサーにかけて、滑らかにする。塩味を調整して仕上げる。

 

野菜、魚介類、肉などに添えて出す。

*冷蔵庫で密閉容器に入れて1週間程度保存できます。



渡辺 万里 / Mari Watanabe

学習院大学法学部政治学科卒。1975年よりスペインで食文化史の研究に取り組むと同時に、スペイン料理界最前線での取材に従事する。

1989年、東京・目白に「スペイン料理文化アカデミー」を開設。さらに各地での講演、執筆などを通してスペイン文化の紹介に携わっている。早稲田大学グローバルエデュケーション非常勤講師。著書に『エル・ブジ究極のレシピ集』(日本文芸社)、『修道院のうずら料理』(現代書館)、『スペインの竃から』(現代書館)など。


<スペイン料理文化アカデミー>
スペイン料理クラス/スペインワインを楽しむ会/フラメンコ・ギタークラスなど開催
〒171-0031 東京都豊島区目白4-23-2
TEL: 03-3953-8414 HP: www.academia-spain.com

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