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acueducto 23 特集「『ドン・キホーテ』後篇出版400年に寄せて」


 今年2015年はスペインの生んだ世界的名著セルバンテス作『ドン・キホーテ』後篇刊行400周年の記念の年に当たります。セルバンテスと『ドン・キホーテ』が日本で初めて紹介されるのは、幕末・明治前期に活躍した儒学者にして洋学者の古賀茶渓(1816-1884)の主著『度日閑言』(1867年)を通してでした。しかし、『ドン・キホーテ』が日本語で読めるようになるには、妙訳『鈍喜翁奇行伝』(明治20年)まで待たねばなりませんでした。スペイン語の原典から日本最初の完訳が出るのは昭和に入ってからのことです。会田由が昭和35年に前篇を、37年に後篇を刊行しております。その後、永田寛定・高橋正武訳、牛島信明訳、荻内勝之訳、岩根圀和訳が続きます。
 『ドン・キホーテ』後篇刊行400周年を記念して、「日本におけるドン・キホーテ」の専門家として知られる関西外国語大学の蔵本邦夫先生にご執筆いただきました。ご一読いただければ幸いです。また記念行事の一環として、論創社から『ドン・キホーテの世界―ルネサンスから現代まで』が刊行されました。松本幸四郎さんら日本を代表するドン・キホーテ研究者が執筆しています。併せてご一読ください。

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