2014年05月
和歌山県知事からのメッセージ
和歌山県とスペイン・ガリシア州は、それぞれの聖地へ通じる「熊野古道」と「サンティアゴへの道」を有する地域であることから、1998年に姉妹道提携を締結しました。世界遺産登録された巡礼道を有する唯一の提携先として、これまで両県州は様々な分野での交流を積み重ね、西洋と東洋という地理関係、宗教、文化の違いを越え、絆を強化してまいりました。
2010年からは、青少年同士の交流や文化体験を内容とした、将来グローバルに活躍できる人材を育成するための交流を行ってまいりました。
また、2012年には、経済及び観光、文化面での相互協力を進めるために、友好関係と連携強化に向けた覚書を締結し、両県州の関係をさらに密接にすることができました。
本年は、慶長遣欧使節団派遣から400周年の節目にあたり、日本・スペイン両国で様々な行事が行われております。本県では5月にガリシア州へ副知事を代表とした文化交流団を派遣し、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂で和歌山の伝統文化、精神文化を紹介しました。また今回の訪問にあわせ、巡礼の聖地を有する田辺市とサンティアゴ・デ・コンポステーラ市との間で観光交流協定の締結が行われたところです。
今回の訪問が大きな節目となり、今後の両県州、ひいては日本・スペイン両国の交流がより一層活発に発展していくよう努力を重ねてまいります。
和歌山県知事 仁坂吉伸
ガリシア州と和歌山県との交流について
和歌山県とスペイン北西部に位置するガリシア州は、それぞれ“道の遺産”による姉妹道で結ばれています。和歌山県には1000年以上の歴史を持つ「熊野古道」があり、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として熊野三山、高野山、大峰とともに世界遺産に登録されました。近年は、祈りと癒しの道として世界中に紹介され、海外からの観光客も増えています。
一方、ガリシア州にはローマ、エルサレムと並んでキリスト教の三大聖地とされるサンティアゴ・デ・コンポステーラがあり、1000年以上の歴史を持つ聖地への道は「サンディアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路」と呼ばれており、1993年、世界遺産に登録されています。
和歌山県とガリシア州は、1998年に姉妹道提携して以来、観光・経済・文化・学術など多岐の分野に渡る交流を進めてきましたが、2010年からは青少年の相互派遣を継続的に行っています。
和歌山県へガリシア州の青少年を受け入れる際は、ガリシア州内の18歳から30歳までの青少年青年が和歌山県内に約1週間滞在し、熊野古道散策、学校訪問、和太鼓や蒔絵などの文化体験、みかん狩り、ホームステイなどさまざまなプログラムを通じて、和歌山への理解を深める内容となっております。美味しい地元素材を使った料理や豊かな自然、温泉といった和歌山県の地域資源を堪能できるプログラムとなっています。
一方、和歌山県の交流団がガリシア州を訪問する際は、事前研修を経た後、約1週間ガリシア州内に滞在します。「サンティアゴへの道」やサンティアゴ・デ・コンポステーラ旧市街、大聖堂など世界遺産の見学、学校訪問、ホームステイなどガリシア州政府が用意した多彩なプログラムを通じ、交流を深めることになります。
プログラムの一番人気は、ホームステイです。言葉の壁をもろともせず、文化や習慣の違いにとまどいながらも、たくさんのことを語り合い、学び、いつしか“第二の家族”のような存在となって、涙の最終日を迎えることになります。
この青少年交流がプログラム参加者一人一人の心に深く刻まれ続けており、帰国後も当時出会った方々はとの交流は絶えることなく継続されています。