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acueducto 35 特集「風車の町、コンスエグラ」

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Consuegra, pueblo de molinos


森本晃生

Dentro del castillo de Consuegra

【POTERNA】この観光者用の出入口は、お城の正門ではなく実は裏門で、ポテルナ(Poterna)と呼ばれます。小さくて見つけづらい場所にあり、城が落とされそうな時に脱出するための非常口です。また、不貞の目的で村へ脱け出すのに利用することもあり、「裏切りの門」とも呼ばれました。
【TORRE ESTE】裏門を入り、アーチをくぐり、石段を上ると、城塞の中へ唯一アクセスできる東の塔の入口に出ます。城内に入るにはこの城の最も堅固な塔、東の塔を通らなければなりません。この塔の壁の厚さは、なんと5mもあります。
【ESCUDO DEL PRIOR DE LA ORDEN JUAN JOSÉ DE AUSTRIA Y ESCUDO DE LOS ÁLVAREZ DE TOLEDO】塔を通る前に、入口の上にある2つの盾の存在に気が付くはずです。聖ヨハネ騎士団本部の修道院長の紋章です。上の紋章は、ドン・ファン・デ・アウストリア修道院長の盾です。上側に王冠、下側に貝で仕上げられたハプスブルグ家のエンブレムの下に8つの頂点を持つ聖ヨハネの十字があしらわれています。ドン・ファン・デ・アウストリア修道院長(1629-1679)は、国王フェリペ4世と女優のマリア・カルデロンとの子で、1642年5月に国王の息子として認知され、1643年には聖ヨハネ騎士団の騎士に叙任され、コンスエグラにあった騎士団本部の修道院長になりました。下の紋章は、ロス・アルバレス・デ・トレド修道院長の盾です。イスラムの8つの旗に囲まれています。旗の先端が下向きになっており、降伏を意味しています。
【ERMITA】資料室を通り抜け扉をくぐって石段を上がっていくと、お城の礼拝堂に出ます。礼拝堂の広間は、1995年に当時のままに再建されました。建物の一番高い所に位置します。鉄格子で礼拝堂が分けられており、飾り壁がありました。1584年にこの飾り壁が作られたことが判明しており、礼拝堂はそれより前に建てられたことになります。この広間の再建が城の最後の大改装で、1229年に建設された古い礼拝堂の代わりとなりました。中世の城、特に聖ヨハネ騎士団のような軍事騎士団に所属する城の中に礼拝堂を設けるのはごく当たり前のことでした。
【SALA DE ARCHIVOS DE LA ORDEN】台所の跡より、後ろを振り向くと石段があり、それを上がって橋を渡ると東の塔の上階の入口になります。聖ヨハネ騎士団の資料室で、そこには、それぞれ3つの鍵のついた2つの扉があり、これらの鍵は、聖ヨハネ騎士団の3人の重要な高官たちだけによって管理されていました。資料室には、聖ヨハネ騎士団の規律に関する文書のほか、施された寄付の記録文書、恩賞地における特権、騎士たち、宗教関係者たちによって提出された証書、そして教会・修道会の特権の写本がありましたが、残念なことに19世紀初めのフランス軍とのナポレオン戦争の際、ほとんどが燃やされるか略奪されてしまいました。
【TORRE ALBARRANA】礼拝堂を正面へ進んでいくと、左手に扉があり、これを出ると橋があり、アルバラナの塔と結ばれています。この塔は城全体の南に位置し、高さが25mあります。ヒスパニック=イスラムの軍事建築に特有なもので、当時(12世紀末〜13世紀初め)のキリスト教徒の要塞に順応させたものです。城が陥落しそうな時に城主が礼拝堂より橋を渡ってこの塔に避難し、橋を取り壊すことで、外からのアクセスを遮断し、城主の安全を確保するという狙いがありました。塔の内部は直径4mの木造4階建てになっています。異なる階へは壁に面した螺旋階段で移動しました。下の階の壁には、敵に矢を放つための狭間、銃眼が付いています。これは縦に細い小さな開口部で、内側になるにつれて広くなっています。
【COCINAS】長い廊下の入口に戻り、左手へと東の塔を出ながら、階段を上っていくと突き当りが台所の跡です。おそらく鍋が置かれたであろう炉で構成されています。網焼きのためのいくつかの小さな囲炉裏、調理道具の置き場もありました。
【ALJIBE】東の塔に入り、右手の階段を上がってすぐ左折すると、暗い廊下が続き、その終端に貯水槽があります。乾燥したラ・マンチャ地方において飲料水、生活用水の確保は何よりも重要なことです。したがって、この貯水槽は大きく、床の大きさは8m×4.8m、高さは最も高いところで5.4mあり、207.36ℓの容量を持ちます。天井は半円形で、真ん中の正方形の穴が水の入口と取口を兼ねています。そして4つの小さな穴があり、換気のための通気口になっています。壁は石灰、砂、酸化鉄、赤土粘土、天然樹脂を成分とした赤い漆喰で覆われていて、防水効果と、水が腐るのを防ぐ効果があります。底に空っぽにするための排水溝、また、余った水を排泄するための余水路を備えています。貯水槽を地下に置くことで、水の蒸発を防ぎ、水温を一定に保ちます。

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