J Balvin、世界最大の音楽フェス「Coachella」で魅せたレゲトン

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4月12日(金)からスタートしたカリフォルニア州インディオで開催されている音楽の祭典「Coachella(コーチェラ)」。ヒップスター音楽の聖典とも謳われ、チケットの売り上げは100億円規模、毎年60万人以上の観客を動員しているアメリカ最大にして世界屈指の野外音楽フェスティバルです。舞台には今をときめく世界の音楽界スターたちが集い、熱唱し、場内は熱狂と感動に包まれます。Coachella公式サイト

近年、ポップ・ミュージック界で主にコロンビアやプエルト・リコなどを中心として、スペイン語圏のスターたちが大活躍していることは以前にブログでもご紹介しました。そして! その豪華な顔ぶれの中でも今、特に注目されているのは先月末にドゥオ「Con Altura」をリリースしたばかり、音楽を架け橋としてスペインとコロンビアを繋いでいるRosalía(スペイン)とJ Balvin(コロンビア)ではないでしょうか。彼らの今年のコーチェラ出演は各国の報道でも大きく取り上げられ、それぞれアメリカの地で凄まじい存在感を残したことが伝えられています。

13日(土)夜、J Balvinが登場。日暮れの舞台からは「Y si el pueblo pide reggaeton(もし観衆がレゲトンを望むなら)」という声が響き、答えはもちろん「Si(イエス)」。45分間もの間、コロンビアのスターはコーチェラの舞台を制しました。

 “Nos demoramos 15 años para que llegara el reguetón a Coachella
(コーチェラにレゲトンがもたらされるのに、僕たちは15年間もぐずぐずしてしまった)

そしてJ Balvinは「orgulloso de ser latino(ラテン人であることを誇りに思う)」と高らかに告げ、観客たちの称賛の叫びの冷めやらぬ中で楽曲「Ginza」を披露。

続いて……スペインからやってきた彗星、Rosalíaの登場!! 会場が再び興奮に包まれた瞬間。J Balvinと共に彼らの最新楽曲「Con altura」を熱唱。ミシュランのビバンダムを彷彿とさせるようなアニメチックな白キャラ軍団が彼らを挟んで愉快に踊り、レゲトンカラーとしては意外とも言えるポップでファンシー(でもそれはRosalíaの持ち味!)な舞台装置。その印象的な場面がこちら。

ところで、コーチェラは単に今最も成功している楽曲の披露だけの意味を持ちません。ラテンアメリカのレゲトンのスターたちにとっては積年の「夢」が結実した舞台。J Balvinはこのジャンルの王道にして初期の代表曲「La gasolina」や「Oye mi canto」を歌い、何万人もの観客がそのリズムに併せて踊りました。そして実は、コーチェラの20年の歴史の中で、レゲトン楽曲をまるまる一曲完走したのは、今回のJ Balvinが初となりました! これは大きな意味を持つこと。世界最大のアメリカ野外音楽フェスで、これだけの規模の観客たちがレゲトンで酔いしれることができた、という成果は、今後もこのジャンルにさらなるブーストをかけていくこと間違いなし。「レゲトン? う〜ん、カリブ海のビーチやクラブで皆が踊っているラテン音楽ね!」というローカル性は破られ、英語圏との国境なんて歯牙にも掛けず、どんどんユニバーサルな音楽になっていくのでしょうね。

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