堀越千秋 ドン・キホーテ・デ・千秋 原画展
2018年07月09日
只今、大阪梅田のBREEZE BREEZE 2Fで、豪華な展覧会が開かれています。スペインを生きた芸術家、故・堀越千秋の代表作『ドン・キホーテ・デ・千秋』の原画展です。入場無料、大阪の真ん中で、一挙に堀越作品にお目にかかれます!
会場に入ると圧巻! 78枚もの原画がずらりと並びます。うーん、お見事、1枚1枚が個性的で、夢と現実が混ざり合うような色彩感覚。ダリのドン・キホーテ作品を彷彿とさせる大胆な空間構成。自らの生み出した妄想に翻弄されながらも、騎士道精神を貫いて生き抜こうとする、そして冒険譚の節々でドジを踏んでしまうドン・キホーテの世界がよく表現されています。
なかでも個人的に印象強く残ったのは哀愁漂う白いドン・キホーテでした。瞑想に耽っているよう。
ほかにも、白い絵の具で大量の涙を流すドン・キホーテの影の絵もあったり。波乱万丈の冒険に出かける一方で、自分の理想像(狂気)に内面を食われてしまったラ・マンチャの男は途方も無い悲しみを内包していると思うのですが、いかがでしょうか。
※7月10日追記:これは、悲壮にも白い涙を大量に流しているのではなく、兜からドロドロのチーズが流れ出ているという絵でした!
ドン・キホーテは溶けた自分の脳みそだと思ったとか。(´∀`)
会場では今では入手が難しい『ドン・キホーテ・デ・千秋』の見本を閲覧することもでき、面白いですよ。堀越千秋曰くセルバンテスはコマーシャルの才(本筋からずれて全く関係のない話をし始める)があったとかなんとか。要約の仕方も堀越節で、ドン・キホーテを読んだことがないけれど、どういう話なのか気になる、という方にもオススメの展覧会。『ドン・キホーテ』を読んだことのある人なら、なおいっそう楽しめること間違いなし。
関連書籍も並べてあり画家の多彩な活動経歴を辿ることができます。表紙を描いていたANAグループ機内誌「翼の王国」バックナンバーもずらりと展示されており、素晴らしかったです。
実は、acueducto 編集者の私も先ほど行ってきたところです! そこで主催「千秋アルテ事務局」ご代表の、堀越千秋の奥様・久美様にもお会いすることができました。特集を組んだ『acueducto』29号も同会場で展示いただいています。ですが短い時間ではとても周りきれなかったのでもう一度行きます。
会期は7月16日(月・祝)までです。貴重な機会ですので皆さまもお見逃しなく。
お土産に日本酒「エル・チアキ」をいただいてしまいました!ありがとうございます!