$記号の意外な由来

スペイン語

世界で最も流通している通貨、ドル。そしておなじみの記号「$」。ところでこのSに走った縦の2本線ってなんなのでしょう? 実は……その由来はスペインにあり!

まずはこのビデオをご覧あれ!

 

アメリカ合衆国製版印刷局(Bureau of Engraving and Printing / la Oficina de Grabado e Impresión de los Estados Unidos)の見解によると、$は、スペインの当時の通貨 Ps(= ペソ pesos / ピアストラ piastras / レアル・デ・ア・オッチョ real de a ocho の総称・略記)から由来しているといいます。Ps、Psと世代ごとに書き連ねていくうち、Pの上にだんだんとsが重ねられ、今の形$が誕生した、とのこと。ありえる話ですね。

しかし上のビデオは、違う説を紹介しています。異説とはいえ、こちらもスペイン由来説です。

上述のスペイン通貨は17世紀にアメリカ大陸にもたらされ、当時の市場で非常に広範囲に流通していました。そして通貨の中でもレアル・デ・ア・オッチョは「Spanish dollar」としてよく知られ、18世紀には、この通貨がアメリカの初の法定通貨となります。そしてこれを元に、米ドル(American dollar)が1792年に誕生します。この時、通貨のデザインには原型となった「Spanish dollar」のデザインがそのまま採用されました。それは王冠を挟んで2本の「ヘラクレスの柱」が刻印されているものでした。つまり……$記号の2本の縦線は、「ヘラクレスの柱」をシンボル化したものだという説です。

では、Sの意味するものは? 

ビデオに描かれている通り、このSは左右の柱に巻かれていた「Plus」(左)と「Ultra」(右)の2つの旗が合体したものだといいます。ちなみに「Plus Ultra」は直訳すると「さらに先へ、さらに端へ」という意味ですが、大航海時代を想像すればお分かりの通り、世界の端から端までを制覇するのだ、という帝国の想いが込められております。「Plus Ultra」は、スペイン国王カルロス1世の標語でありました。今でもスペインの国章にこの言葉が印字されているのを認めることができます。

「Ps」→「$」説よりこちらの「ヘラクレスの柱とPlus Ultra」説の方が、ダイナミックで面白いですね。

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