ゴヤの燃えるような恋心

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La correspondencia de Goya confirmaría su homosexualidad

El Centro Botín de Santander, en colaboración con el Museo del Prado, presenta una nueva catalogación de los trabajos del genio maño que tendrá su gran escaparate en una exposición monográfica que prepara la pinacoteca madrileña para 2019 La orientación sexual de los grandes genios del arte siempre ha sido objeto de debate.

 

El genio maño(アラゴン出身の天才)画家フランシスコ・デ・ゴヤ。彼が友人に宛てた書簡を分析した結果、画家は同性愛者だった可能性が高いそうです。その書簡はサンタンデールのボティン芸術センター(Centro Botín)が研究を進めています(引用元のEl Mundo WEB記事より)。

記事によるとゴヤが同性愛者だった? という仮説は長年にわたり学術界でも議論されてきたテーマ。ボティン芸術センターで研究を進めるマヌエラ・メナ氏は、これまで「誤って」ゴヤ作とされていた6つの作品を目録から除外したほか、ゴヤと、彼の「愛の友人 amigo amoroso」マルティン・サパテール(Martín Zapater)との間で取り交わされていた書簡から新たな解釈を認めました。

4年以上の調査によって目録の中に加えられた書簡の1枚。《裸のマハ》の作者による傑出した前書き。書簡の日付は1790年11月10日、マドリードにて、サパテールとの出会いの後。メナ氏によると、この書簡からは「燃え上がるような恋心」が読み取れるという。その時代に慣習的に書簡に描き添えられることの多かった十字架は、入念に、密に動脈が描きこまれたロマン主義的シンボル(=ハート)に置き換えられている。これをもって書簡全体が完成するかのように。この書簡のほかに同月やはりゴヤがサパテールに宛てた手紙がある。もう1枚の書簡には隠茎が描かれている。

 

La maja vestida
GOYA Y LUCIENTES, FRANCISCO DE
©Museo Nacional del Prado

 

その後、同年12月、ゴヤはサパテール宛に次のように書くことになる。

 

 “El mayor bien de cuantos llenan (mi) corazón, acabo de recibir la inapre(ciable) tuya; sí sí que me avivas mis sentidos con tus discretas y amistosas producciones, con tu retrato delante me parece que tengo la dulzura de estar contigo, ay mío de mi alma no creyera que la amistad podía llegar al periodo que estoy experimentando”.

君からの計り知れないほど貴重な返事を受け取って、(僕の)心がどれほどまでに満たされたことか。君が君自身の控えめで親愛なる作品でもって、僕の意識を活性化させてくれるのだ。君の正面肖像画を見ていると、僕は君と一緒にいるような甘美を覚える気がする。ああ、僕の魂は信じることができないだろう。僕が今経験している段階までに、友情が達することができるとは到底信じることができないだろう。

 

実は、この書簡は2007年まで発見されなかった。メナ氏は発見後に研究を進め、同性愛傾向を示す愛の関心事であるという解釈に至っている。そしてそこで示されているのは子供時代の友人(ゴヤは2度にわたってその肖像画を描いている)とのプラトニックな同性愛ともかけ離れているのだという。

この波紋を呼ぶような新発見と解釈を飛び越えて、プラド美術館では、来週にこの学説のさらなる証拠となるものを示せる可能性が、絵画・版画保存部門の代表者ホセ・マヌエル・マティージャ氏によってほのめかされた。

 

ところでゴヤ作品の目録から除外された6つの作品もまた大きなニュースだ。具体的にはサラゴサのアカデミアを描いた2枚、ボストン美術館所蔵の肖像画が1枚、絵画2枚、プラド美術館所蔵の絵画1枚《聖フランシスコの悪魔祓い Exorcismo de San Francisco》。逆にメナ氏やマティージャ氏らの功績により《サン・イシドロ大草原 La pradera de San Isidro》は目録に加えられることになった。

 

除外された《聖フランシスコの悪魔祓い》というのは、以下に掲載したこの絵画でしょうか(現在プラド美術館公式サイトでは「作者不明(ゴヤの画風の模倣者)」となっています)。ゴヤの悪魔祓いの作品といえば《悔悛しない瀕死の病人に付き添う聖フランシスコ・ボルハ》という別の絵画がありますがそちらがもし別作者だったとしたらそれは大衝撃です(プラド美術館所蔵ではないので、その可能性は低い?)。

 

El exorcismo
ANÓNIMO
©Museo Nacional del Prado

 

今回報道されたゴヤの作品と生涯に関する新発見・目録の再整理とともに、プラド美術館では2019年にゴヤの特別展が企画されるそうなので、そちらのニュースも併せて楽しみですね。来年はゴヤのニュースがたくさんありそうな予感……。

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