Rosalía、「Coachella」で革新的フラメンコを携える
2019年04月16日
米カルフォルニア州インディオで開催された野外音楽フェス「Coachella(コーチェラ)」。スペイン語圏スター勢、レゲトンを爆ぜたコロンビアのJ Balvinに負けないくらい、いやそれ以上に今最も注目されているスペイン人アーティストと呼ぶにふさわしいのが彼女、カタルーニャ出身のRosalía。
https://www.elle.com/es/living/ocio-cultura/a27134886/rosalia-coachella-2019/
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まだ25歳。世に出したアルバムは2017年の『Los ángeles』と2018年の『El Mal Querer』の2つのみ。ファースト・アルバムを出した頃からめきめきと頭角をあらわし、カンテをポップ音楽として昇華していく「Nuevo Flamenco」の担い手になっていくのか、と思いきや、James Blakeとのメランコリックなコラボ曲「Barefoot in The Park」や3月末に解禁されたばかりのJ Balvinとの「Con altura」など、彼女がここまでの国際的スターに急成長するとはスペイン人でも予想ができたでしょうか。ただ、フラメンコの名曲をカバーしながらも、アンダルシアの土着の伝統とはある意味で対極の位置にある都会的なテイストを織り交ぜて見事に世界観を築いたのは、彼女の才能。その独創性の答えが今回のアメリカの大舞台、と言えるかも。特に『El Mal Querer』のシングルや「Con altura」のビデオクリップやファッションにも創意工夫が満載で見ていて飽きないんですよね。『El Mal Querer』に関してはスペイン文化好きが観てもま〜楽しい(革新的過ぎ、で好き嫌いは分かれそうですが)。
さてコーチェラでは2日目の土曜日にJ Balvinと話題のレゲトン曲「Con altura」を熱唱しました。しかし上述の通り「フラメンコ」を変奏させる持ち味の彼女は、前日に1970年代のフラメンコ・ロックの姉妹ドゥオ、Las Grecasの「Te Estoy Amando Locamente」を披露(Las Grecasについては京都大学こころの未来研究センターでacueducto編集スタッフが聴講したこちらのレポートも参照:講演「フラメンコとアヴァンギャルド 過去と現在」)。フラメンコの変化の歴史を象徴する1曲をアメリカに持ってくるのがまたカッコいい。
そして彼女自身の楽曲として『El Mal Querer』収録「Pienso en tu mirá」「Que no salga la luna 」「A ningún hombre」を歌い、見事に着こなした輝く赤革の衣装で観客を魅了。そしてメディア『20 minutos』が伝えるところによりますと、コーチェラの20年の歴史の中で、「フラメンコ」に分類される曲が奏でられたのはRosalíaが初とのこと! です!
今年はイスパノアメリカ勢が強い存在感を示したコーチェラ。RosalíaやJ Balvinのほか、メキシコの伝説的バンドLos Tucanes de Tijuanaやチリの女性歌手Mon Laferteらのクンビアやサルサも見所でした。今後も彼らによって開拓されていくスペイン語圏の音楽! 皆さんも楽しんで\(^O^)/