2019年、プラド美術館創立200周年

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 プラド美術館は1819年11月19日に王立美術館として開館しました。来年2019年は創立200周年に当たり、様々な記念式典・行事に向けた準備が始まっています。日本でも今年は東京と神戸の「プラド美術館展」で大注目を浴びましたね! acueducto発行元のスペイン語教室ADELANTEでも、8月26日(日)にスペイン人ネイティブたちと一緒に神戸の展覧会を見に行くツアーを企画しています!→【神戸】ADELANTEの仲間と行こう!「プラド美術館展」

 訪れたことのある人なら知っていると思いますが、プラド美術館の館内はとても広く、展示されている全ての傑作をしっかり鑑賞しようとすると、ゆうに数日はかかります。常設展示は1,700点。エル・グレコ、ルーベンス、ベラスケス、そしてゴヤの絵画作品など、見逃せないものがたくさん。しかしこれらの常設展示作品も、プラドが保蔵する一部にすぎません。実はプラドには全体で33,228点もの作品が保蔵されているそうです! 常設展示に出さないものは、普段は保管室に安置しておいて、企画展の際に出したり、研究者や専門家の調査に使用されたりしているとのこと。もちろん、目下修復中の作品もあるはず。そして今後も、コレクションの数はさらに増えていく予定だそう。

 プラド美術館の経営部門トップのMarina Chinchillaは次のようなコメントを残しています:「美術館の作品は公財です。私たち全てのスペイン人が所有しているもので、そのことを私たち皆が誇りに思わなければなりません Las obras del Museo son bienes públicos, que nos pertenecen a todos los españoles, y de los que todos debemos sentirnos orgullosos」。しかし一方で、美術館を運営することは日々挑戦であり、他部門との提携を図りながらそれぞれの企画展を成功させていかなければならないとも語っています。

 ところでプラド運営陣のエピソードといえば、思い起こされるのが1936年スペイン内戦期の絵画たちの「奇跡の脱出劇」です。

プラド美術館所蔵の絵画「言語道断の」救出劇

この出来事は、冒頭の「expansion」の記事でも最後に紹介されています。プラド美術館の職員たちは、爆撃から守るため、這う這うの体で穴ぼこだらけの道にトラックを走らせ、バレンシアまで名画を運び出さなければなりませんでした。なんとこの時、疎開した絵画の数は……およそ2o,ooo点!!(エエー!!)まさに奇跡(milagro)、道中の危険も回避して、フランスまで亡命させ、ようやく3年後にプラドまで戻って来ることができました。

 この歴史的な奇跡とプラド美術館の人々の懸命な努力のおかげで、地元のスペイン人も世界からの観光客も、人類の財産たる名画たちを鑑賞することができるのですね。2019年の創立200周年記念で、もしかしたらまだ日の目を見ていない傑作が公開されるかもしれません。今後どんな催しがなされ、訪れる人たちをどう驚かせていくのか……今から楽しみです。

 

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