グラナダでニュースに!『フェデリコ・ガルシア・ロルカ 子どもの心をもった詩人』

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スペイン文化に関する、とても素敵なニュースが飛び込んできました! 20世紀のグラナダの詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカ。日本でも知名度こそあれ、スペイン内戦の悲劇のイメージがあまりにも強大な人物であり、それが故に解釈が困難ともされる彼の詩的作品に触れる機会を私たちは見逃してしまっているかもしれません。

ロルカの研究者で、ご自身も詩人の平井うらら先生。2017年に新装版が出たばかりの『対訳 タマリット詩集』(影書房)をはじめ、ロルカに関する研究書・翻訳書を手がけていらっしゃいます。2017年11月の『acueducto』第31号では想いの込もったロルカ特集記事をお寄せいただきましたが、これをきっかけにロルカの魅力を発見した読者も多いことでしょう。

acueducto 31 特集「ロルカを思う。」

 

そして、昨年2018年にはロルカの生涯を綴った絵本の邦訳版『フェデリコ・ガルシア・ロルカ 子どもの心をもった詩人』が影書房から出版されました。ロルカ研究の第一人者かつスペインで最重要の文学者の一人イアン・ギブソンが手がけた絵本で、日本訳を平井先生が担当されています。小学高学年から対象とされている易しい日本語で書かれていますが、もちろん大人も楽しめる、勉強になる絵本で、ギブソンのスペイン語の原文も併せて掲載されています(adelanteshopでも販売中!)。

 

 

フエンテ・バケーロス村やその近辺で過ごした幼少時代、水や月のイメージでもってロルカの詩の世界に深く反映されているグラナダの情景、マドリードの学生館時代の話、ニューヨークやキューバでの体験、学生劇団「ラ・バラッカ」……ロルカの人生を丁寧に追っていくことのできる構成になっており、最後に著者、訳者からのさらに詳しい解説付録がついています。

このたびロルカの生地グラナダにて、この邦訳版絵本の出版記念会が開かれたとのことですが、その様子が新聞やテレビ番組などの地元メディアでも報じられました! 番組では、ロルカの詩を日本語で唱える平井先生のお姿が。現地の人たちもこの邦訳版には興味津々の様子でした。

 

Una traducción del libro ‘Federico García Lorca para niños’ acerca al poeta granadino al público infantil de Japón

La autora y doctora por la Universidad de Granada, Urara Hirai, presenta su libro el martes 26 de febrero, en la Corrala de Santiago

 

こうしてグラナダの人たち、スペインの人たちが日本語で書かれたロルカの本を祝福するのは、本当に素晴らしいことですよね。そもそも『acueducto』の特集記事も、グラナダのロルカ記念館の方々のご協力なくして実現し得ませんでした。

平井先生、改めてご出版おめでとうございます。この絵本がより多くの皆さまの目に止まりますように!

 

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