「イラスト慣用表現」vol.5の同義語・類語
2020年01月24日
スペイン語の面白い表現と出会える本誌連載の「イラスト解説 スペイン語 慣用表現」。ブログでは、過去に紹介した表現の同義語・類語をご紹介しています。誌面に載せきれないくらいスペイン語にはユニークで、つい使ってみたくなる言葉があるんですよね……。
●「イラスト慣用表現」vol.1の同義語・類語
●「イラスト慣用表現」vol.2の同義語・類語
●「イラスト慣用表現」vol.3の同義語・類語
●「イラスト慣用表現」vol.4の同義語・類語
それでは続いてvol.5の同義語・類語を学習しましょう(記事PDFはこちら)。テーマとなっているのは会社の経営者(Empresario/a)です。
Ser cocinero antes que fraile
(修道士になる前は調理師である→堅実にキャリアアップしていく)
Ser marinero antes que patrón = 船長になる前は船員である
Ser pinche antes que cocinero = コックになる前は下働きである
それぞれの業界の職種で、自由に作れます
Llegar y besar el santo
(聖人の下へ行き接吻する→恩恵で簡単に地位を手に入れる)
Como caído del cielo = 空から降ってきたような(恩恵)
Conseguir algo de carambola (o de chiripa) = 運よくもらう、まぐれで当たる
Tener un golpe de suerte = 幸運の持ち主
努力に関係なく、天からの恵みを享受しているラッキーパーソンに使う言葉
Estar al pie del cañon
(大鳳の発射台の前にいる→自ら現場の指揮を取る、仕事を進める)
Estar a pie de obra = 現場にいる
Estar en la brecha = 職務中である、待機している
Estar sobre el terreno. = 臨機応変に対応する
「現場」を表す言葉もいろいろ!
Brillar por su ausencia
(不在によって目立つ→現場にいないことが当たり前)
No verle el pelo = 全く目撃されない
pelo(髪の毛)には実に様々な慣用表現があります
Por su cuenta y riesgo
(自分自身の責任で)
Aguantar su propia vela = 自分のろうそくを消す、自分でつけた火の始末をする
Sacarse las castañas del fuego = 火中の栗を拾う
Resolver la papeleta por sí solo = 厄介ごとを自分ひとりで解決する
重大事において自分の責任をしっかり果たすことです
Mirando al Boletín (BOE)
(官報を読みながら→国の金で投資する、自分の懐を傷めない)
Vivir al calor del Estado = 国家の庇護の下で暮らす
Vivir a la sombra del Estado= 国家の影で暮らす
al calor de … で「〜の庇護の下で」という意味になります
Tener vista
(先見の明がある)
Ser un lince = 頭の切れる人だ
Tener ojo clínico (para los negocios) =(ビジネスのための)慧眼を持っている
Tener reflejos =反射神経がいい
linceはヤマネコのことですが、賢い人を喩える時に使います
Dejar pasar balones delante de la portería
(ボールがゴールに入るのを許してしまう→事態を予測できない)
Dejarse comer la merienda = おやつを食べてしまう(抑制できない)
Perder oportunidades de oro = 黄金のチャンスを失う
dejarse + 不定詞で「(自分が)〜してしまう」です
こうしたスペイン語の表現力豊かなフレーズは、練習ドリルや文法書ではなく、実際に生きている言葉(ネイティブとの会話、文学や映画作品、時事ニュース)の中で見つかります。時として書き手や話し手の表現センスがそのまま表れますが、それは日本でも同じですね。